はじめてのエンゼルケアを
一緒に

インタビュー先の事業所とご担当者様

黒木 康平さん(ボンズシップ訪問看護リハビリステーション・所長) / 清水誠太さん (株式会社ボンズシップ・代表取締役)

ボンズシップ訪問看護リハビリステーション

東京都江東区 / 東西線「木場」駅 徒歩4分

待機者4,000人!? 特養運営者が訪問看護ステーションを立ち上げた理由

一和多

本日は江東区の木場で2015年に訪問看護ステーションを新設された、株式会社ボンズシップ代表の清水さんと、ボンズシップ訪問看護リハビリステーション所長の黒木さん、男性2名からお話をお伺いします。

よろしくお願いします!

清水さん・黒木さん

よろしくお願いします!

一和多

まず、4月で訪問看護ステーションの立ち上げからまる2年(※2017年現在)になるとのことですが、どのような経緯での設立だったのでしょうか?

清水さん

はい。

私はもともと在宅介護の会社に勤めていて、その後、縁あって特別養護老人ホームの開設と施設運営に関わらせて頂くことができました。

清水さん

在宅から施設にうつって目の当たりにしたギャップは色々とあったのですが、それよりも新規開設した施設が80床だったのに対して、そのエリアでの待機者が4,000人もいたんですね…(汗)。

「施設が提供できるボリューム感で、本当に地域へ貢献をできているのか?」と改めて考えるようになりました。

一和多

箱物である施設を新設・拡張していくことには、限界がありますものね…。

清水さん

仰っる通りです。

もちろん施設の役割も重要で、それによって救われた方やご家族はいるのですが、そこに到達できない方が多くいることも事実です。

清水さん

一方で、在宅サービスであれば、会社の成長に合わせて、地域への貢献度も拡大していくことができる。

私がやりたいことは後者だなと思い、訪問看護ステーションを立ち上げました。

一和多

役割の違いはあるにしても、より多くの人を支えることができる可能性を持っているのは、在宅サービスなのかもしれませんね!

ちなみに、エリアとして「木場」を選ばれた理由はあるのですか?

清水さん

私の住んでいる地域が江東区でして、「地元に貢献したいな」という想いはありましたね。

あと、江東区の中でも比較的、ライバル会社が少ないエリアだったんですよ(笑)。

看護師あるある? 希望の配属が叶わず進めた訪問看護への転職!

一和多

続いて管理者の黒木さんにお話をお伺いしてまいります。

黒木さんはどちらのタイミングで、ボンズシップ訪問看護リハビリステーションに参画をされたのですか?

黒木さん

事業所開設前の立ち上げ時からですね。

 

ちょうど訪問看護での転職を検討していたところ、インターネットでこちらの事業所を見つけて、「新設」という点に惹かれて問い合わせたのがキッカケです。

一和多

訪問看護への転職前はどのようなキャリアを?

黒木さん

学校の卒業後は、病院の循環器・ICUで働いていました。

その後、ガン末期の患者さんを看たくて転属を希望したのですが、希望の部署への配属が難しく、それであれば学生の時から興味のあった訪問看護をやろうと思ったという経緯ですね。

 

本当は、ガン末期の患者さんが看れる病棟を経験してから、在宅を始めたかったのですが…。

一和多

なぜガン末期に興味が??

黒木さん

循環器の病棟で働いていた際に、ガンだったら傷も看れるし、時系列で患者さんの容態が変わっていくところも看ることができて、経験として良いなと思ったんですよね~。

一和多

なるほど!

一和多

それはそうと、私もたくさんの看護師さんとお話をしていますが、「希望の配属が叶わなかったので転職」は看護師さんの転職理由あるあるですね(笑)。

黒木さん

本当、そうですよね(笑)。

学生時代の在宅実習で直面した、利用者さんの突然の死

一和多

黒木さんは学生の時から在宅に興味があったとのことでしたが、何かキッカケがあったのですか?

黒木さん

実習で担当した、ある利用者さんが大きく影響をしています。

80~90代で、足に強い浮腫がある方だったのですが、それ以外は特段気になるところも無く、普通にケアをして、お話をして、その日は帰りました。

ただ、その翌日にその方が亡くなってしまったんですよ…。

一和多

えぇ……、なぜ?

黒木さん

それが、理由はわからなかったんですよね。

突然死ということではないのですが……。

 

当時は、あんなに普通に喋っていた方がいきなり亡くなってしまったことが、本当に不思議で、ショックで……。

 

いまの自分であれば、何かしら気付けたのかとも思うのですが、学生の時は判断ができていなかったのかな…。

 

振り返ると、「あの時気づけなかった」っていう引っかかりが、在宅に強い関心を持ったキッカケになっているように思います。

訪問看護未経験者にオススメ!事業所の外に相談相手をつくる大切さ!

一和多

黒木さんが病院から在宅にうつられて、戸惑ったポイントはありますか?

黒木さん

う~~~ん、、、。

とにかくわからないことが多かったので、周りの所長さんたちに教えてもらうことは多かったですかね。

複数の訪問看護ステーションで入っている利用者さんの時などは、教えてもらう機会も多かったので。

一和多

管理者をされていると、地域の部会などで他の事業所の所長さんと繋がりやすいですよね。

一和多

管理者ではなく一般スタッフの場合、訪問看護でのオススメの勉強法などはいかがでしょう?

黒木さん

これも同じになってしまうのですが、やはり自分の所属する訪問看護ステーション以外の人と知り合う機会をつくっていった方が良いかなと思います。

黒木さん

事業所の中だけではわからないこともありますし、外の繋がりから見えてくる新しい発見も多いです。

 

在宅を希望される人って、人と接するのが好きな人が多いと思うので、自分で色々な場に足を運んでいけば、自然と知り合いは増えていくんじゃないですかね?

一和多

なるほど~。

事業所内だけではなく、事業所外に相談をできる存在をつくっていくんですね!

黒木さんは訪問看護師としては年齢も若いですし、木場エリアの他の訪問看護ステーションの所長さんから可愛がられそうですね~(笑)。

黒木さん

う~~~ん、嫌なことは特にされたことはないですが……。

どうなんでしょうね(笑)。

男性看護師3名がしっかりサポート!求められるのは確かな生活目線!

一和多

ボンズシップさんのメンバーは、どのような方が多いですか?

黒木さん

他と比べると男性看護師がやや多いかな?

常勤の男性看護師が3名おります。

あと、女性の看護師メンバーは、全員既婚者で子持ちですね。

一和多

男性看護師が常勤3名は多いですね!

なかには利用者さんとの兼ね合いで男性看護師NGの訪問看護ステーションもありますが、男性看護師がいることのメリットは大きいと思うんですよね~。

黒木さん

そうですね。

 

常勤の男性看護師がサポートをするので、他のメンバーの急な体調不良や子どもの病気の時のカバーはしやすくなっています。

実際、家庭がある人には働きやすい環境だと思いますよ。

一和多

メンバーは訪問看護の未経験者ばかりとのことですが、そのような方のフォローアップはどのようにされていますか?

黒木さん

まずは同行訪問ですね。

そこで、病院との違いを見てもらって、できることとできないことを少しずつ学んでいってもらいます。

黒木さん

あと、在宅って利用者さん毎にやり方が変わってくるので、そこも現場で一つずつ知っていってもらいます。

それで、いくつのお宅をまわって経験を積んでいくうちに、自宅でのアレンジ力や応用力も磨かれていきますので。

一和多

アレンジ力ってどんなですか?

黒木さん

例えば、褥瘡の利用者さんがいたとして、病院で使うような『ハイドロサイト』を使うと、あれってコストが1,000~2,000円もしてしまうんですよ。

そうすると、ご本人やご家族の経済的な負担が大きくなってしまう。

そこで、100円均一で用意した女性がお化粧で使うパフを使ったり…。

 

そういった利用者さんの生活ニーズに合わせたアレンジを考えていく力ですかね。

一和多

病院での経験や訪問看護の経験というより、「主婦の知恵」って感じがしますね(笑)。

黒木さん

本当そうですね。女性スタッフの意見はとても参考になります。

 

実は、僕はほとんど100円均一って行ったことがなかったんです。

ただ、最近は100均ものぞくようにしていて、「これは使えるな~」とか1人で研究しています。

特許を取りたいようなアイデア品もあったりしますよ(笑)。

利用者さんのご家族は新人ナース! 一緒に処置した「はじめてのエンゼルケア」

一和多

これまで訪問看護をされてきたなかで、印象深かった利用者さんとのエピソードを教えて頂けますか?

黒木さん

利用者さんとの直接的なエピソードではないのですが良いですか?

 

ご高齢で二人暮らしのご夫婦で、ガン末期だった奥さまの点滴の管理などをうちで看ていました。

 

いよいよ厳しいなとなった時に、ご家族が集まられて、その中にいたお孫さんが、看護師1年目になりたての新人だったんですね。

「私、看護師なんです」と声をかけてくれて。

 

それから、間もなく利用者さんは亡くなったのですが、死後処置をする時に、そのお孫さんが

「エンゼルケアをしたことがないので、一緒にさせて下さい」

と言って、一緒に処置をさせて頂きました。

黒木さん

病院で働いているときは、ご家族と一緒に死後処置をするということはまず無かったですし、それをご家族であり、看護師としては後輩にあたる方と一緒にできたことは、とても印象深かったです。

一和多

ほんの少し前まで実習生だった方ですものね。

黒木さんが、訪問看護に興味をもったキッカケにも少し重なるところを感じますね!

黒木さん

そうですね(笑)。

 

「後輩を育てた」と言ったら変な感じもしますが、僕の処置や、おばあさんの最期を見て、お孫さんが在宅に少しでも興味を持ってもらえたら良いなと思います。

僕自身も新鮮な気持ちになれた日でしたね。

訪問看護が合う人はどんな人? 考えて看護をすることが好きな人!

一和多

最後となるのですが、訪問看護を検討されている方に向けたメッセージをよろしいでしょうか?

黒木さん

そんな偉そうなこと言えないですよ(笑)。

一和多

まぁまぁ(笑)。

等身大のメッセージで結構ですので!

黒木さん

そうですねぇ……。(う~~~~ん)。

 

それでは、、、僕は病院ではやれなかったことをやりたくて在宅に来ました。

病院では「こういうケアをして」「こういう風に指導して」と、ルートが出来上がっていたんですね。

「その人に合ったケア」や「看護師の個性」というものを出していくのが難しかった。

 

ただ、在宅では一見すると間違っていそうなことも、実はそのお家の中では正しかったりするんですよ。

「病院では絶対ダメなのに…」といったことも普通にあります。

 

そんな中で、その人なりの生活のリズムを考慮しながらうまく軌道修正ができると、治療や症状の緩和に繋がっていくんですね。

それをどうやって自分の中で組み立てていくのか、考えることがすごく楽しいです。

一和多

「考えてする看護」がしたい人は、在宅・訪問看護向きって感じですかね?

黒木さん

そうですね!

ハマると思います(笑)。

一和多

(笑)。

ありがとうございました!

取材を終えて

一和多

江東区の「木場」駅の駅から歩いて数分の位置に事業所を構える、ボンズシップ訪問看護リハビリステーション。

設立3年目に差し掛かったばかりと、まだまだ若い訪問看護ステーションであることは間違いないのですが、しっかりと働ける常勤の男性看護師が3名在籍をしていることの安定感は、非常に大きなものだと感じました。

また、リハビリも合わせると20人に達する事業所規模は、十分に中規模を超える訪問看護ステーションと言えますし、これからますますの拡大も期待をすることができると思います。

若いリーダーのもと、組織の拡大・成長を肌で感じながら働きたいという方は、是非ご検討下さい!

取材・文章:一和多義隆(2018年6月8日更新)

事業所情報

事業所名 ボンズシップ訪問看護リハビリステーション
運営会社 株式会社ボンズシップ
所在地 東京都江東区東陽3-10-5 丸半ビル別館3階
最寄り駅 東西線「木場」駅 徒歩4分
在籍人数 30名(看護師:常勤11名・非常勤3名、理学療法士:13名、作業療法士:2名、言語聴覚士:1名)
従業員の平均年齢 40歳前後 ※20~60代のスタッフまで在籍

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事業所名 ボンズシップ訪問看護リハビリステーション亀戸サテライト
運営会社 株式会社ボンズシップ
所在地 〒136-0071 江東区亀戸1-40-8協和第3ビル3号室
最寄り駅 JR総武線「亀戸」駅 徒歩3分
在籍人数 看護師2名(常勤2名、非常勤0名)、理学療法士3名
従業員の平均年齢 30歳代前半

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