地域が繋がり、地域で支える
「清瀬」駅前のステーションは、クリニックからの居抜き物件!?
よろしくお願いします!
こちらのステーションの事務所は、もともとクリニックが利用していた跡地をそのまま引き継いだとお伺いしました。
広々として内装もとても綺麗ですよね。
しかも駅の目の前!
そうなんです。便利な場所ですね。
備品もクリニックのものを引き継いで使用しています。
だからでしょうか?
さきほどスタンディングデスクを見かけました!
訪問看護ステーションには珍しいですよね(笑)。
実は、最初は全部スタンディングだったんです。
でも今年の夏が暑すぎましたよね?
それで朝から立つのはみんな体力消耗するよね、ということで椅子をガラガラガラと…(苦笑)。
なるほど(笑)。
暑くなければスタンディングはどんなところが良いのでしょうか?
うーん、座るとなんとなく時間が延びるかなという気はしますね。
どちらも選べるというところが良いと思っています。
体調や気分に合わせて選べるのは魅力的ですね!
これだけ広々としたスペースがあって、パソコンの台数も十分にあって、ハード面が充実していることは働きやすさにも直結すると思います。
ありがとうございます!
「ホスピスツアー」も開催される、清瀬市の多職種連携事情
清瀬には「ホスピスツアー」というものがあると伺って、とてもユニークだなと思いました。
「ホスピスツアー」はできたばかりなのですが、もともと清瀬にはホスピスが多いんですよ。
地域連携を大切にしている方が医師会にもいらっしゃるので、ネットワークがしっかりしていますね。
ケアマネージャーさんも熱心な方がとても多いです。
特定の医師やケアマネが熱心というよりも、この地域全体の雰囲気として横のつながりが深い感じでしょうか?
そうですね!
地域のケアマネージャーさんだけでも勉強会や情報発信も積極的にされていて、在宅医もケアマネも、清瀬市は他のエリアと比べても多職種の横の繋がりは強いように感じます。
職種を超えた連携が特に重要となる在宅においては、訪問看護師としても働きやすいエリアでしょうね!
きずなさんはスタッフ教育にも力を入れられているなと感じたのですが、最初から今のような教育スタイルを目指されていたのですか?
正直に言いますと、最初の3~4年は自分たちの業務だけで精一杯で、研修にもほとんど行けていませんでした。
立ち上げメンバーは訪問看護経験者ばかりだったので、
そのような状態でも目の前の現場には行ける、という感じで…。
積極的に学習・教育をしてステーションのレベルを一定のところまで引き上げようという動きが出てきたのは、やっとここ数年のことです!
ステーション設立時期のバタバタが落ち着いて、今はスキルアップやメンバー全体の教育体制が整えられる段階に入ってきた…と。
同行訪問については3か月しっかりとおこなわれるのですね?
そうですね。3か月は決めています!
「看る・送る・計画と報告」までの一連の流れは、個人差はあれどやはり3か月はかかると考えています。
もちろん、個々人のスキルや経験も考慮をしますので、そこは個別面接をしながら同行訪問の卒業時期を一緒に決定していきます。
それは心強いですね!
きずなさんのステーションは、駅から近くて立地面でも便利ですよね。
通勤は電車の方も多いですか?
そうですね。
実は…私が1番遠くて、1時間半ぐらい電車に揺られて通っています(笑)。
えぇ!?そんなに!?
ステーションによっては「オンコールがあるから常勤は近隣に住める方のみ」としているところもありますよね?
以前は私も事業所に泊まることもありましたが、最近はほとんどないですね。
遠方に住んでいる人が当番の日に電話があっても、対応できるスタッフにフォローに入ってもらうなどしながら対応しています。
そもそも、緊急での出動自体が少なくなりましたね。
緊急出動が少ないというのは、日常の訪問が活きているからですね!
訪問看護で働くときには、自宅からの距離やオンコールのことはどうしても気になりますので、それを聞いて安心して入職を検討できる方も多いと思います。
外来勤務をしていたクリニック時代に開けた訪問看護への道程
ここからは、久保さんのご経歴を伺ってまいります。
まずご出身はどちらですか?
埼玉の奥の「毛呂山」というところです。
地元の病院付属の看護学校を卒業して、10年間は病院で働いていました。
親元じゃないと子育てと看護師の両立はできないと思っていたので…(汗)。
子育て中も夜勤をされていらっしゃった?
はい。
1年間育休をとったあとは、車で1時間くらいかけて通勤して、3交代をしていました。
ということは、復職のとき、お子さんは1歳くらいでしょうか?
そうなんです…。
往復2時間かけて、向こうの当直室で寝て、という生活でした。
当時の、子どもが1歳のころの記憶はほとんどないですね(苦笑)。
それは過酷ですね…。
はい…。
それで、「これはちょっと大変すぎる…」と思って近所のクリニックに転職して、
それが思いがけず在宅を意識するキッカケになりました。
あるとき、クリニックの医師が採血を忘れて「悪いんだけど〇〇さんのお宅に行って採血してきてくれない?」と言われたことがあったんです。
そのときに、初めて「患者さんのご自宅」に行ってみて「あ、家に行って何かするってすごく楽しいかも」と思ったんです。
それは、まさかの訪問看護ですね!
はい。!
それがすごく楽しかった!
…と思ってしばらくしたら、看護学校時代の先生から「訪問看護ステーションを立ち上げるから一緒にどう?」と誘われたんです。
運命的ですね…(笑)。
そうなんです(笑)。
その後クリニックの仕事が一区切りしたところで、先生が立ち上げた訪問看護ステーションで仕事しますとお返事しました。
ちなみに病院時代はどのような病棟だったのですか?
最初は消化器と呼吸器の混合外科ですね。
次に慢性呼吸不全の病棟にいって、最後がエイズと看護ケア。
「エイズと看護ケア」?
はい。
私が勤めていた病院は、エイズの患者さんと、「最後の看護ケア」のホスピスが同じところにあったんです。
呼吸管理やガンの末期の知識はその頃にある程度学びました。
クリニックでは糖尿病の三大合併症に対しての外来指導を経験しましたね。
なるほど。
訪問看護の現場に向けた土壌が、それまでの病院、クリニック勤務で培われてきていた感じがありますね。
本当に偶然なのですが、そんな感じですよね(笑)。
実際に訪問看護の道に入ってみて、これは苦労したなとか、自分の中で壁にあたったなとか、そういうことはありましたか?
う~ん、治療と看護の境界と言いますか…。
病院時代の「患者さんがこういう状態なので、この指示ください!」というような医師とのコミュニケーションを在宅でもおこなってガツンと言われたこととか…(笑)。
あぁ……(苦笑)。
やはり外部の医療機関との関係性は苦慮することが多かったです。
介護保険が始まったばかりの頃から訪問看護をされているので、当時は指示を出す医師側も混乱はあったでしょうね。
おっしゃる通りですね。
まずは「報告書ってなんぞや?」ということからでしたので…(苦笑)。
全介助が必要なご利用者のご主人とご子息、それぞれの想いと葛藤と
久保さんが訪問看護で出会った、印象的なご利用者のお話を教えてください。
前職から引き続いて現在も訪問している方でして…。
実は、最初に勤めた病院での看護師の先輩がいらっしゃいます。
まだ60代ですが、脳内出血をして寝たきりで、気管切開して、胃ろうがあって、という方ですね。
60代とは…お若いですね…。
ということは、発症は50代でしょうか?
そうですね。
仕事中に倒れたと聞いています。
病院時代には直接の面識はなく、副師長をしていらっしゃったのは何となく知っているといった程度の距離感の方でした。
現在は、ご自宅での療養生活も十数年になってきましたので、介護されている旦那さんや息子さんもかなりお疲れになってきている状況ですね…(汗)。
ご家族も年を重ねていきますからね…。
そうですね。
実は、旦那さんも看護師なんです。
「うちの奥さんがどの看護師よりも一番素晴らしいぞ!」
と誇りにしていらっしゃって、ずっと熱心に介護されてきたのですが、ご自分が心臓の病気をされたこともあって…、
時折奥さまに「いいかい?もういいかい?」「施設に入るかい?」「お父さんは疲れたよ」と話しかけているんです。
でも、息子さんはそれに猛反対をされるんですね。
旦那さんは看護師さんで現状もよくわかるし、お体も辛い。
息子さんはご自宅で看たい気持ちが強い、といった感じでしょうか?
そうです。
息子さんはお母さんにずっと家にいてほしいし、今のままでいてほしい。
以前からお母さんと大変仲の良い息子さんだったんですね。
これは最近になって教えて頂いたことなのですが、
「万が一、お母さんが倒れて意識がなかったときに、あなたが私を見つけたとしても1時間外に出てらっしゃい。そのうち死ぬから」と息子さんに話していたそうなんです。
奥さまは息子さんの重荷になりたくない、と。
はい。でも、旦那さんはそのやりとりはご存知なかった。
なので、奥さまが倒れられたときに、手術をして、シャントを入れて、気管切開して、人工呼吸器をつけて…と一生懸命助けられた。
息子さんが旦那さんのおっしゃることに怒っている理由が、
「そこまでしてお袋を助けたにも関わらず、手放すってどういうことだ」
という感情だったと、最近になってようやくわかったんです。
10数年、介護を一緒にしてきて…。
息子さんはずっとそのことを言えなかったんですね。
お母さんの意思を尊重できなかった辛さといいますか…。
そうなんです。
ちなみに、奥さま自身はどのくらい意思表示ができるのですか?
手をあげたり、握ったり、フッと笑ったりとか。
聞こえてはいらっしゃいますよ。
なるほど…。
この後はどうなっていくのでしょうかね……。
そうですね、どうなるのか…変化がそう遠くない未来なのか、何年後になるのかは…まだわからないですね。
その状況に唯一の正解なんてないと思いますし、ご家族の板挟みになる久保さんも精神的に辛いでしょうね…。
ありがとうございます。
長く携わってきた方なのでこれからも関わっていきたいと思っているのですが、ただ、いち看護師としては近すぎず離れすぎずの距離感で向き合っていくことが大事なのかなと思っていますね。
まずはご家族の想いを聴くことから
きずなさんでは、たくさんの看護学生の実習を受け入れていらっしゃるとお聞きしました。
学生さんに知ってもらいたい、こんなところを体験してもらいたい、という在宅の看護場面はどのようなところがありますか?
やはり、ご家族との関係性ですね。
病院は「患者さん」が主体でものごとが進んでいくことが圧倒的に多いですが、在宅では「ご家族」のケアも非常に重要になってきますので。
例えば、ご本人に「どうですか?」と質問をする前に、ご家族の話を聞くことが大切になってくる場面もあるので。
ご家族は、普段のご本人の一番近くで、四六時中看ていらっしゃるわけですからね。
はい。
ご家族が一生懸命にされていることを伺ったり、不安なところを「これはこうだよ」と解消したり、そういうところは訪問看護師の重要な役割のひとつだと思っています。
私自身の反省ですが、病院時代は「これは医師の指示だからやってください」とか「こんな状態まで放っておくなんて!」とか、どちらかというと押し付ける気持ちが強かったなと思っています。
ご利用者やご家族の「これまでの経緯、これまでの想い」をまずは聞いていこう、という心構えが持てるようになったのは、在宅にきてからですね。
なるほど。
病院ですと、いつも時間に追われて、患者さんやご家族のお話を聞く時間はなかなかとれないですし、そういった働き方を変えたくて訪問看護を希望される看護師さんも多いですね。
その点在宅ですと、60分とか90分とか、決められた時間はその方に全身で向き合うことができますからね。
うちのスタッフはみんな、本当によくご利用者やご家族のお話を聞いてきますね。
訪問看護師として大切な姿勢を実践されているということですね。
本日はありがとうございました!
ありがとうございました。
取材を終えて
西武池袋線「清瀬」駅から徒歩1~2分といった好立地、駅前商店街のど真ん中に位置する『訪問看護ステーションきずな』。
もともとはお隣のクリニックが利用していた施設を居抜きのような形で譲り受けた事業所は陽当たりも良く広々としており、働く環境としては申し分ないと思います。(「スタンディングデスク」のある訪問看護ステーションって中々お目にしないです!)
メンバーには長年の訪問看護経験者が多く在籍しており、子育てをしながら訪問看護師として働いてこられた方ならではの視点で、働きやすい環境・学べる環境を試行錯誤しながら創り上げてこられたことがよく伝わりました。
現在は、運営状況もかなり安定して、これからの拡大に向けて採用強化をされている真っ最中ですので、「まずは非常勤から」という方も、「ガッツリ常勤で」という方も、まずは気軽にお問い合わせ下さいませ!
事業所情報
事業所名 | 訪問看護ステーションきずな |
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運営会社 | 株式会社Schilf |
所在地 | 東京都清瀬市松山1-4-20 松東ビル202 |
最寄り駅 | 西武池袋線「清瀬」駅(徒歩2分) |
在籍人数 | 看護師5名、理学療法士2名、作業療法士1名 |
従業員の平均年齢 | 30代後半 ※20~50代スタッフの在籍 |
ステーション詳細 | » より詳細なステーション情報を見る |
本日は、2000年の介護保険スタート時から訪問看護をはじめられたベテラン看護師たちによって運営されている、東京都清瀬市の訪問看護ステーション『訪問看護ステーションきずな』の創設メンバーでもある久保さんにお話を伺います。
よろしくお願いします!