地域が繋がり、地域で支える

インタビュー先の事業所とご担当者様

久保 悦子さん 主任・看護師

訪問看護ステーションきずな

東京都清瀬市周辺

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「清瀬」駅前のステーションは、クリニックからの居抜き物件!?

一和多

本日は、2000年の介護保険スタート時から訪問看護をはじめられたベテラン看護師たちによって運営されている、東京都清瀬市の訪問看護ステーション『訪問看護ステーションきずな』の創設メンバーでもある久保さんにお話を伺います。 

 

よろしくお願いします!

久保さん

よろしくお願いします! 

一和多

こちらのステーションの事務所は、もともとクリニックが利用ていた跡地をそのまま引き継いだとお伺いしました。 

 

広々として内装もとても綺麗ですよね。

しかも駅目の前

久保さん

そうなんです。便利な場所ですね 

備品もクリニックのものを引き継いで使用しています。 

一和多

だからでしょうか?

さきほどスタンディングデスクを見かけました! 

 

訪問看護ステーションには珍しいですよね(笑) 

久保さん

実は、最初は全部スタンディングだったんです。

でも今年の夏がすぎましたよね? 

 

それで朝から立つのはみんな体力消耗するよねということで椅子をガラガラガラ(苦笑)

一和多

なるほど(笑)。 

 

暑くなければスタンディングはどんなところが良いのでしょうか?

久保さん

うーん、座るとなんとなく時間が延びるかなというしますね。 

 

どちらも選べるというところが良いと思ってます。

一和多

体調や気分に合わせてべるのは魅力的ですね! 

 

これだけ広々としたスペースがあって、パソコンの台数も十分にあって、ハード面が充実していることは働きやすさにも直結すると思います。 

久保さん

ありがとうございます!

「ホスピスツアー」も開催される、清瀬市の多職種連携事情

一和多

清瀬「ホスピスツアー」というものがあると伺って、とてもユニークだなと思いました。

久保さん

「ホスピスツアー」はできたばかりなのですが、もともと清瀬にはホスピスが多いんです 

 

地域連携を大切にしている方が医師会にもいらっしゃるのでネットワークがしっかりしていますね。 

ケアマネージャーさんも熱心な方がとても多いです。 

一和多

特定の医師やケアマネが熱心というよりも、この地域全体の雰囲気として横のつながりが深い感じでしょうか 

久保さん

そうですね! 

 

地域のケアマネージャーさんだけ勉強会や情報発信も積極的にされていて、在宅医もケアマネも、清瀬市は他のエリアと比べても職種の横の繋がりは強いように感じます。

一和多

職種を超えた連携が特に重要となる在宅においては、訪問看護師としても働きやすいエリアでしょうね!

一和多

きずなさんはスタッフ教育にも力を入れられているなと感じたのですが、最初から今のような教育スタイルを目指されていたのですか?

久保さん

正直に言いますと、最初の3~4年は自分たちの業務だけで精一杯で、研修ほとんどていませんでした。 

 

立ち上げメンバーは訪問看護経験者ばかりだったので、

そのような状態でも目の前の現場には行けるという感じで…。

久保さん

積極的に学習・教育をしてステーションのレベルを一定のところまで引き上げようという動きが出てきたのは、やっとここ数年のことです!

一和多

ステーション設立時期のバタバタ落ち着いて、今はスキルアップメンバー全体の教育体制整えられる段階に入ってきた…と。 

 

同行訪問については3か月しっかりとおこなわれるのですね?

久保さん

そうですね。3か月は決めています! 

 

看る・送る・計画報告」までの一連の流れは、個人差はあれどやはりか月かかると考えています。

 

もちろん、個々人のスキル経験も考慮をしますので、そこは個別面接をしながら同行訪問の卒業時期を一緒に決定していきます  

一和多

それは心強いですね!

一和多

きずなさんのステーション、駅から近くて立地面でも便利ですよね。 


通勤は電車の方多いですか?

久保さん

そうですね。 


実は…私が1番遠くて、1時間半ぐらい電車に揺られて通っています(笑) 

一和多

えぇ!?そんなに!? 

 

ステーションによってはオンコールがあるから常勤は近隣に住める方のみ」としているところもありますよね?

久保さん

以前は私も事業所に泊まることもりましたが、最近はほとんどないですね。 

遠方に住んでいる人が当番の日に電話があっても、対応できるスタッフにフォローに入ってもらうなどしながら対応しています。 

 

そもそも緊急での出動自体が少なくなりましたね。

一和多

緊急出動が少ないというのは、日常の訪問が活きているからですね! 

 

訪問看護で働くとき、自宅からの距離やオンコールのことはどうしても気になりますのでそれを聞いて安心して入職を検討できる方も多いと思います

外来勤務をしていたクリニック時代に開けた訪問看護への道程

一和多

ここからは、久保さんのご経歴を伺ってまいります。 

 

まずご出身はどちらか?

久保さん

埼玉の奥毛呂山というところです。

 

地元の病院付属の看護学校を卒業して、10年間は病院で働いていました。 

親元じゃないと子育てと看護師両立できないと思ってたので…(汗) 

一和多

子育て中も夜勤をされていらっしゃった? 

久保さん

はい。 

1年間育休をとったあとは車で1時間くらいかけて通勤して、3交代をしていました。 

一和多

ということは、復職のとき、お子さんは1歳くらいでしょうか?

久保さん

そうなんです…。 

往復2時間かけて、向こうの当直室で寝てという生活でした

 

当時の、子ども1歳のころの記憶ほとんどないですね(苦笑)

一和多

それは過酷ですね…。

久保さん

はい… 

それで、「これはちょっと大変すぎる…」と思って近所のクリニックに転職し

それが思いがけず在宅を意識するキッカケになりました。

久保さん

あるとき、クリニックの医師が採血を忘れて「悪いんだけど〇〇さんのお宅に行って採血してきてくれない?」言われたことがあったんです。

 

そのときに、初めて患者さんのご自宅」にってみて「あ、家に行って何かするってすごく楽しいかも」思ったんです

一和多

それは、まさかの訪問看護ですね

久保さん

はい。!

 

それがすごく楽しかった

…と思ってしばらくしたら看護学校時代先生から「訪問看護ステーションを立ち上げるから一緒にどう?」と誘われたんです

一和多

運命的ですね…(笑)。

久保さん

そうなんです(笑) 

 

その後クリニックの仕事が一区切りしたところで先生が立ち上げた訪問看護ステーションで仕事しますとお返事しました。

一和多

ちなみに病院時代のような病棟だったのですか

久保さん

最初は消化器と呼吸器の混合外科ですね。 

次に慢性呼吸不全の病棟にいって、最後がエイズと看護ケア。 

一和多

エイズと看護ケア」?

久保さん

はい。 

私が勤めていた病院は、エイズの患者さんと、最後の看護ケアのホスピスが同じところにあったんです。 

呼吸管理ガンの末期の知識はその頃にある程度学びました。 

 

クリニックでは糖尿病の三大合併症に対しての外来指導を経験しましたね。

一和多

なるほど。 

訪問看護の現場に向けた土壌が、それまでの病院、クリニック勤務で培われてきていた感じがありますね。 

久保さん

本当に偶然なのですが、そんな感じですよね(笑)。

一和多

実際に訪問看護の道に入ってみて、これは苦労したなとか、自分の中で壁にあたったなとか、そういうことはありましたか?

久保さん

う~ん、治療と看護の境界と言いますか…。 

 

病院時代「患者さんがこういう状態なので、この指示ください!」というような医師とのコミュニケーションを在宅でもおこなってガツンと言われたこととか(笑) 

一和多

あぁ…(苦笑)

久保さん

やはり外部の医療機関との関係性は苦慮することが多かったです。

一和多

介護保険始まったばかりの頃から訪問看護をされているので、当時は指示を出す医師側も混乱はあったでしょうね。 

久保さん

おっしゃる通りですね。 

まずは「報告書ってなんぞや?」ということからでしたので(苦笑)

全介助が必要なご利用者のご主人とご子息、それぞれの想いと葛藤と

一和多

久保さんが訪問看護で出会った印象的なご利用者のお話を教えてください。 

久保さん

前職から引き続いて現在も訪問している方でして…。 

実は最初に勤めた病院看護師の先輩がいらっしゃいます。 

まだ60ですが、脳内出血をして寝たきりで、気管切開して胃ろうがあって、という方です 

一和多

60代とは…お若いですね…。 

ということは、発症は50代でしょうか? 

久保さん

そうですね。 

仕事中に倒れたと聞いています 

久保さん

病院時代には直接の面識はなをしていらっしゃったのは何となく知っているといった程度の距離感の方でした。 

 

現在は、ご自宅の療養生活も十数年になってきましたので介護されている旦那さん息子さんもかなりお疲れになってきている状況ですね…(汗)。 

一和多

ご家族も年を重ねていきますからね…。

久保さん

そうですね。 

実は旦那さん看護師なんです。

久保さん

「うちの奥さがどの看護師よりも一番素晴らしい!」

と誇りにしていらっしゃって、ずっと熱心に介護されてきたのですが、ご自分が心臓の病気をされたこともあって…、

時折奥さ「いいかい?もういいかい?」「施設に入るかい?」「お父さんは疲れたよ」話しかけているんです 

 

でも息子さんそれに猛反対をされるんですね。

一和多

旦那さんは看護師さんで現状もよくわかるし、お体も辛い。 

息子さんはご自宅で看たい気持ちが強い、といった感じでしょうか? 

久保さん

そうです 

 

息子さんはお母さんにずっと家にいてほしいし、今のままでいてほしい。 

以前からお母さんと大変仲の良い息子さんだったんですね。 

久保さん

これは最近になって教えて頂いたことなのですが、 

「万が一お母さんが倒れて意識がなかったときに、あなたが私を見つけたとしても1時間外に出てらっしゃい。そのうち死ぬから」と息子さんに話していたそうなんです。 

一和多

奥さまは息子さんの重荷になりたくない、と。

久保さん

はい。でも、旦那さんはそのやりとりはご存知なかった。 

なので、奥さまが倒れられたときに、手術をして、シャントを入れて、気管切開して、人工呼吸器つけてと一生懸命助けられた。 

 

息子さんが旦那さんのおっしゃることに怒っている理由が、

「そこまでしてお袋を助けたにも関わらず、手放すってどういうことだ」

という感情だったと最近になってようやくわかったんです。 

一和多

10数年、介護を一緒にしてきて… 

 

息子さんはずっとそのことをえなかったんですね。

お母さんの意思を尊重できなかった辛さといいますか…。 

久保さん

そうなんで 

一和多

ちなみに、奥さま自身はどのくらい意思表示ができるのですか?

久保さん

手をあげたり、握ったり、フッと笑ったりとか。 

聞こえてはいらっしゃいますよ。 

一和多

なるほど…。 

後はどうなっていくのでしょうかね……。 

久保さん

そうですね、どうなる…変化がそう遠くない未来なのか、何年後になるのかは…まだわからないですね 

一和多

その状況に唯一の正解なんてないと思いますし、ご家族の板挟みになる久保さんも精神的に辛いでしょうね…。

久保さん

ありがとうございます。 

 

長く携わってきた方なのでこれからも関わっていきたいと思っているのですがただ、いち看護師としては近すぎず離れすぎず距離感で向き合っていくことが大事なのかなと思っていますね。 

まずはご家族の想いを聴くことから

一和多

きずなさんでは、たくさんの看護学生の実習を受け入れていらっしゃるとお聞きしました。 

 

学生さんに知ってもらいたい、こんなところを体験してもらいたい、という在宅の看護場面はどのようなところがありますか? 

久保さん

やはり、ご家族との関係性ですね。 

病院は患者さん」が主体でものごとが進んでいくことが圧倒的に多いですが、在宅では「ご家族」のケアも非常に重要になってきますので。 

 

例えば、ご本人にどうですか?質問をする前ご家族の話を聞くことが大切になってくる場面もあるので。 

一和多

ご家族は、普段のご本人一番近くで、四六時中看ていらっしゃるわけですからね。 

久保さん

はい。 

ご家族が一生懸命にされていることを伺ったり、不安なところをこれはこうだよ」と解消したり、そういうところは訪問看護師の重要な役割のひとつだと思っています。 

久保さん

私自身の反省ですが、病院時代は「これは医師の指示だからやってください」とか「こんな状態まで放っておくなんて!」とか、どちらかというと押し付ける気持ちが強かったと思っています。 

 

ご利用者やご家族「これまでの経緯、これまでの想い」をまずは聞いていこう、という心構えが持てるようになったのは、在宅にきてからですね。

一和多

なるほど。 

 

病院ですと、いつも時間に追われ、患者さんやご家族のお話を聞く時間はなかなかとれないですし、そういった働き方を変えたくて訪問看護を希望される看護師さんも多いですね。 

久保さん

その点在宅ですと、60分とか90分とか、決められた時間はその方に全身で向き合うことができますからね 

 

うちのスタッフはみんな本当によくご利用者やご家族のお話を聞いてきますね。 

一和多

訪問看護師として大切な姿勢を実践されているということですね。

 

本日はありがとうございました! 

久保さん

ありがとうございました。

取材を終えて

一和多

西武池袋線「清瀬」駅から徒歩1~2分といった好立地、駅前商店街のど真ん中に位置する『訪問看護ステーションきずな』

もともとはお隣のクリニックが利用していた施設を居抜きのような形で譲り受けた事業所は陽当たりも良く広々としており、働く環境としては申し分ないと思います。(「スタンディングデスク」のある訪問看護ステーションって中々お目にしないです!)

メンバーには長年の訪問看護経験者が多く在籍しており、子育てをしながら訪問看護師として働いてこられた方ならではの視点で、働きやすい環境・学べる環境を試行錯誤しながら創り上げてこられたことがよく伝わりました。

 

現在は、運営状況もかなり安定して、これからの拡大に向けて採用強化をされている真っ最中ですので、「まずは非常勤から」という方も、「ガッツリ常勤で」という方も、まずは気軽にお問い合わせ下さいませ! 

事業所情報

事業所名 訪問看護ステーションきずな
運営会社 株式会社Schilf
所在地 東京都清瀬市松山1-4-20 松東ビル202
最寄り駅 西武池袋線「清瀬」駅(徒歩2分)
在籍人数 看護師5名、理学療法士2名、作業療法士1名
従業員の平均年齢 30代後半 ※20~50代スタッフの在籍
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