看護師だけど、
上場企業のサラリーマン
インタビュー先の事業所とご担当者様
藤原 祐子さん 事業支援本部 訪問看護サービス部 課長
東京都・中央区 / 東京メトロ銀座線「京橋駅」徒歩3分
サラリーマン看護師が統括する全国60の訪問看護ステーション!!!
よろしくお願いします。
つい先日お会いした時は、まだセントケア千葉に籍をおかれていましたよね???
今年(2017年)の2月に転籍となったんですよ。
まぁ、サラリーマンなので上からの指示に従う形で(笑)。
看護師さんがご自身をサラリーマンだと言うのは不思議な感じがしますね(笑)。
本部ではどのような業務をされるのですか?
いま現在(2017年2月時点)セントケアグループの地域会社が全部で20社近くあって、それらの訪問看護部門を束ねる仕事です。
セントケアさんって介護サービスのイメージの方が強いのですが、訪問看護サービスはどの程度されているのですか?
グループ会社の中には訪問看護ステーションを持っていないところや、1事業所だけという会社もありますが、グループ全体では60ほどの訪問看護ステーションを運営しています。
全国で60事業所も展開されているのですね~!
その中から今回、藤原さんが全国のステーションを統括するポジションに抜擢をされたのはどのような経緯で?
私が以前に所属していたセントケア千葉では、11の訪問看護ステーションを展開していて、私も以前はその内の1つで管理者をしていたんですね。
その後、管理者から千葉エリアの訪問看護ステーション全体のサポートをする立場になり、
千葉エリアでの看護師採用や研修、各ステーションの管理者から相談を受けるような仕事をしていました。
それで、私のような現場経験を持った看護師が、訪問看護の統括ポジションに就いていたのはセントケアのグループ全体を見渡しても千葉だけだったので、全グループ会社の訪問看護ステーションを対象とした同様の部署を新設したい、という会社の意向から私に白羽の矢が立ったという経緯になります(汗)。
訪問看護師から管理者、管理者からグループ会社の統括部門、グループ会社の統括部門から本社の統括部門…、
めちゃくちゃ順調にキャリアアップをされていますね(笑)。
そんなことないです(笑)。
私がキャリアップをしたというよりも、そういう時代なんだと感じます。
私は介護保険が始まったくらいの時から訪問看護をやっているのですが、当時は先生に訪問看護指示書をもらうことにすら苦労をする時代でした。
それから、世の中の流れが段々と訪問看護に向いてきて、事業所数も増えていくなかで、私に求められる場も広がっていったのかな…と。
『在宅シフト』が叫ばれる昨今ですが、今後セントケアさんでも、ますます訪問看護には注力していく予定ですか?
そうですね。
間違いなく、訪問看護にはこれからさらに力を入れていくと思いますよ。
看護師でありながら東証一部上場社員! その仕事ぶりとは…?
セントケアさん全体での特徴についてお伺いしていきたいのですが、
まずは2016年の12月に東証一部上場をされましたよね。
訪問看護サービスを提供される会社で上場をされているところは非常に少ないと思うのですが、一部上場企業の社員になって何か生活は変わりましたか???
なんっっっっにも、変わりません!!!!!(笑)
そんな(笑)。
ただ、会社が大きくなっていくことには賛成なんですよね。
訪問看護でも、一つのステーションに留まり続けると辛くなってしまうことがあって、組織を大きくして自分の選択肢を増やしていくことは、自分自身のリスクを回避することにもなるのかなと思っています。
同じ組織内でも、様々な事業所や、様々な働き方が用意をされているのは、大きな組織ならではの強みですね!
他にも何かセントケアグループでの特徴などはございますか?
会社方針がしっかり明示されていることですかね。
「地域に貢献する」って方針は、創業以来35年近く一切ブレていないんですよ。
様々な職種の人間が集まって仕事をしていくうえで、それって凄く大切なことで…。
あとは、介護サービスからスタートした会社ではありますが、医療職がいないと成り立たないということをよく理解していて、介護職と医療職との間の壁が無いところも働きやすいなと感じます。
多職種が一つのチームとして協力しあって働ける環境って、まさに在宅らしくって良いですね!
訪問看護ステーションだと、やはり主語が看護師さんになりやすいので。
私もそう思います!
弊社では、訪問看護ステーションでも所長というポジションを介護職や他の職種のメンバーが担当することもあって、看護師以外にもリーダーシップを発揮して組織をまとめていける人材はちゃんといるんですよね。
あとは、セントケアの訪問看護ステーションは、必ず訪問看護以外のサービスも一緒に運営をしていて、看護師からの声として「他職種の方と一緒の事業所でないと嫌だ!」という意見すらあがってきますよ。
やはり、チーム全体で利用者さんを看ていくうえで、同じ会社内で色々な職種の人たちと相談しながら働ける環境は心強いですよ!
病棟勤務時代に目にした「社会的入院」。家に帰りたいのに帰れない患者さんたち
藤原さんが訪問看護師になったキッカケを教えて頂けますか?
私が病棟で看護師をしていた時は『社会的入院』が社会問題になっていたんですね。
それがキッカケだったと思います。
『社会的入院』……ですか。
今はあまり聞かなくなりましたよね。
私はもともと病院の総合病棟というか…、老人病棟のような科で働いていたんですね。
今でいうと慢性期病院のようなイメージの病棟ですか?
そうですそうです!
そこで、『社会的入院』をされる患者さんたちを見ていまして…。
患者さんを自宅で世話することができないご家族が、「先生、預かって下さい」と病院に預けるんですね。
そうすると、家に帰りたいのに帰れない高齢の患者さんは、家族がいないところで泣くんですよ。
それは…悲しい光景ですね……。
はい……。
それで当時の私は「この泣いている人たちがご自宅に帰れる方法はないのだろうか?」と考えるようになり、それから在宅のことが気になっていきました。
その後、介護保険制度が始まった時にいち早くケアマネージャーの資格を取得して、在宅サービスを提供している職場に転職したという経歴になります。
あれから何年も経ちましたが、病院にいたい患者さんはいないし、家にいたい方を家で支えることができる訪問看護の仕事は最高だと、今でも思っていますね。
事業所閉鎖の危機! 利用者さんの引き継ぎをしていたらそのままセントケアに?!
訪問看護師になられてから、藤原さんはどのようにしてセントケアさんへ転職をされたのですか???
私の場合はちょっと特殊なんですよね(苦笑)。
セントケアの前職の訪問看護ステーションは、看護師の数が2名になってしまい、事業所の閉鎖が決まっていたんですね。
ただ、当時は訪問看護ステーションも今ほど無い時代だったので、利用者さんをどうしようとスタッフ同士で相談していて、それで自分たちでセントケアを見つけて、自分たちで問い合わせをしたのがキッカケでした。
利用者さんの引き継ぎが、そのまま転職活動になってしまった?!!
そうなんですよ(苦笑)。
問い合わせをしたら、セントケアの担当者がその日のうちにやって来て、結果的には、利用者さんもスタッフも、そのままセントケアが引き継ぐ形になりました。
なので事業所を運営する雇用主が、そのままセントケアに替わったという形でしたね。
それからはセントケアさんで管理者をされて、その後に千葉全体の統括ポジションになっていったのですね。
統括ポジションをされていて大変だったことなどはありましたか??
苦しかったのは看護師の採用活動でしたね…。
採用担当者とは毎週のように打ち合わせをしていましたし、所長さんと一緒になって採用面接をして求職者を口説いていました。
やはりいつの時代も訪問看護での看護師集めは大変なんですね…。
採用活動の中で、これは上手くいったな!という方法はありました?
う~~~ん、、、
当時は、1ヶ月で100回近い説明会をやって転職者を獲得していましたかね。
ただ、現在は訪問看護ステーションが増えてきたので、それも難しいです…。
では、現在はどのように人の採用を???
いまは紹介会社さんからのご紹介が多いですね。
それもこちらから紹介会社さんに押しかけて行って、セントケアを猛アピールしましたので(笑)。
紹介会社まで押しかけるご担当者も珍しい(笑)。
ちなみに、藤原さんからみて、良い紹介会社の見分け方のポイントなどはありますか?
一概には言えないのですが、一人一人の紹介者を大事にしている紹介会社さんですかね。
あと、そういう会社は面接には必ず同席をされますね。
採用するこちら側も、担当者に一緒に来て頂けると安心しますし。
ご家族の希望とご家族の限界、自問した「訪問看護って何だろう?」という想い
これまで藤原さんが看てこられた利用者さんの中で、思い出深いエピソードを教えて頂けますか?
私はうまくいかなかった記憶の方が鮮明ですねぇ…。
「なんで、あそこでこうできなかったのかな?」という思い出はたくさんあります…。
その中でも思い出深い方ですと、あるご夫婦の利用者さんですかね。
肺炎で入院をされていた方がご自宅に戻られて、たんの吸引が必要だったんですね。
それで、奥さまが一日中ベッドサイドでチューブを手放せない状態になってしまった。
奥さまの負担があまりに大きかったので主治医の先生に相談をしたのですが、「仕方がない」という見立てで…。
最期はお嬢さんが「これ以上はお母さんまで倒れちゃう」と仰って、救急車を呼んで病院に搬送をされました。
その状況ですと、在宅は難しかったのですかねぇ…。
奥さまご自身が自宅に戻られることを強く望まれていたんですよね。
ご主人を自宅で看たいというお気持ちが強かった。
ただ、たとえご家族の希望でも、「どこまで頑張るか」という線引が難しかったです。
いま思い返すと、その時の病院との連携の仕方や、病院へ戻すタイミングの問題など、
もっとやれることはあったんじゃないかな?という後悔は強くあります。
今でもベッドサイドでチューブを手放せないでいる奥さまの姿は忘れられなくて…。
その後、私はステーションを異動になり、そのご家族との関わりはなくなってしまったのですが、奥さまはずっと私を覚えていて下さって、趣味で作られた手作りの品を頂いたりしました。
私としては、とても後悔の残る思い出なのですが、奥さまからは「感謝している」と言って頂いて…。
自分の中で「訪問看護って何だろう?」と改めて考える機会を頂けたと思っています。
病院では見えなかったものが見えてくる。ナイチンゲールにも通ずる訪問看護の魅力
最後に、こちらの読者に訪問看護の魅力についてメッセージをお願いできますか?
私は、訪問看護って『ナイチンゲール』の教えに通じると思うんですよね。
ナイチンゲールは自分が身体の弱い人で、あまり看護の現場に行くことはできなかった。
なので、「看護における管理者は、自分の頭の中の理想通りにみんなが動いて、看護が続いていくように、意思疎通をしていかないといけない」といった旨のことを書いているんです。
それって訪問看護も全く同じで、1週間にたったの1回だけしか看護師が訪問をしない場合でも、その1週間は利用者さんが安心して暮らせるように考えないといけない。
そのためには、利用者さんご本人やご家族、他のケアチームの方も含めた、しっかりとしたマネージメントが必要になってくるんですね。
まさに看護の本質は訪問看護にあり!って感じですかね。
本当にそう思います。
訪問看護を経験すると、病院では見えなかったことがよく見えるようになりますし、自分の看護観が広がっていくことも、すごく感じると思いますよ。
訪問看護に興味はあるけど「自分で大丈夫なのか?」と立ち止まっている人も、まずは一度訪問看護を経験してみて頂きたいですね~。
そうですね~~~。
私自身もそうだったのですが、自身の臨床経験や現在の看護観に関わらず、新しいことは積極的にチャレンジして欲しいですね。
新しいことに挑戦しただけ、新しいものが得られるし、新しい喜びになっていくので。
そのためには、そういったチャレンジがたくさんできる環境に身を置いた方が良いです。
ちなみにセントケアは、そんな機会をたくさん用意して皆さんをお待ちしておりますよ!
上手いこと、セントケアさんのPRを織り交ぜましたね(笑)。
本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
取材を終えて
全国に60の訪問看護ステーションを展開し、東証一部にも上場をした、誰から見ても立派な大企業といえるセントケア・ホールディング。
その中で訪問看護部門の中核を担う藤原さんは、病棟看護の現場で、訪問看護の現場で、常に利用者さんに寄り添い、苦悩しながら歩んできた、まさに叩き上げの看護師さんでした。
そんな藤原さんが下支えをするからこそ、セントケアの訪問看護では血の通ったステーション運営ができるのではないかと思います。
なお、藤原さんと同じく本部での統括業務に興味のある看護師さんも絶賛募集中とのことですので、訪問看護をやりたい方も、現場を支える仕事に興味がある方も、是非ご検討下さい!
事業所情報
事業所名 | |
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運営会社 | セントケア・ホールディング株式会社 |
所在地 | 東京都中央区京橋2-8-7 読売八重洲ビル5F |
最寄り駅 | 東京メトロ銀座線「京橋駅」徒歩3分 |
在籍人数 | |
従業員の平均年齢 |
本日はセントケア・ホールディング株式会社で、訪問看護部門の統括を担当されている藤原さんからお話をお伺いいたします。
よろしくお願いします!