訪問看護師が
育つ環境・育つ理由

インタビュー先の事業所とご担当者様

松井 順子・川上 理恵さん 浦安せいれいの里 副総園長 兼 在宅・福祉サービス事業部 運営管理部部長(松井)・浦安所長(川上)

聖隷訪問看護ステーション浦安

千葉県・浦安市 / 東京メトロ東西線「浦安」駅 徒歩2分

オートバイの街の看護師による「ボランティア」から始まった訪問看護

橋本

こんにちは。

本日は、聖隷福祉事業団の在宅部門の責任者である松井さんと、浦安事業所の所長の川上さんから、聖隷福祉事業団での訪問看護に関するお話をお伺いしていければと思います。

よろしくお願い致します。

川上さん・松井さん

よろしくお願いします。

橋本

こちら浦安の訪問看護ステーションは、つい最近オープンをされたとか?

川上さん

そうですね。

オープンが2016年の3月で、聖隷としては18番目の訪問看護ステーションとなります。

橋本

18拠点もステーションを展開されているのですね!

さすが聖隷福祉事業団…(汗)

松井さん

歴史も長いですからね(笑)

橋本

いつ頃から訪問看護は開始されているのですか?

松井さん

聖隷福祉事業団の聖隷浜松病院って、もともとは脳外科を中心として発展した病院なんです。

当時の浜松はオートバイの街だったこともあり、非常に交通事故が多く、後遺症が残ってしまう患者さんも多かった。

ただ、後遺症が残ってしまった患者さんがご自宅に帰るには、昔は今のように在宅サービスが充実していなかったので、生活面でのハードルが非常に高かったんですね…(汗)。

そのような患者さんの退院後の生活が心配になりご自宅へお伺いするようになったのが、

聖隷浜松病院としての訪問看護の始まりとなります。

橋本

それは訪問看護に関する制度もまだない時代の話ですか???

松井さん

そうですね、まったくのボランティアからのスタートとなります。

「自宅に帰してあげたい」という想いから足を踏み入れた訪問看護の世界

橋本

お二人はどのような経緯で訪問看護の道に進まれたのですか?

松井さん

私は元々脳外科の看護師で、ある時、寝たきりの患者さんの奥様で、自身も足が悪く、さらにご自宅が遠いにも関わらず、旦那さんの看病のため熱心に病院に通われている奥様の姿を目にしたのがキッカケでしたね。

 

「この患者さんをご自宅に帰してあげるにはどうすれば良いのか?」

「自分たちがご自宅にお伺いすることはできないのか?」

と思い、訪問看護事業の立ち上げに参画しました。

川上さん

ちなみに、その立ち上げ当時の訪問看護事業の責任者が、現在『全国訪問看護事業協会』の副会長をされている上野桂子さんなんですよ。

橋本

そうなんですね~~~!!!

松井さん

まだ訪問看護に関する制度も整っていない時代だったので、面倒な交渉ごとも多く、そこは上野さんにほとんど任せっきりでした(笑)。

 

それからも『在宅』という軸は持ちながら、訪問看護だけではなく、ケアマネやヘルパーのお仕事も経験させて頂きましたね。

橋本

川上さんの場合はいかがでしょう?

川上さん

私は看護師資格を取得後4~5年ほど急性期の病棟で働いておりました。

それから一旦ブランクを挟んだ後、消化器系の癌の方が多い病棟に復職をしました。

最期の時を在宅に戻られる方は少なかったです。

そんなときに、ある雑誌で訪問看護に関する記事を読んだことがキッカケだったと思います。

橋本

どういった内容の記事だったのですか?

川上さん

当時勤務していた病院内の難病系病棟で、管があっても、人工呼吸器が付いていても、訪問看護があればご自宅に帰れる、といった内容の記事だったと覚えています。

たとえ末期ガンの患者さんでも、私たち看護師がサポートすることでご自宅に帰してあげられるのであれば、そういった支援をしていきたいなと感じました。

終末期・独居の患者さんが、命をかけても自宅に帰りたいその理由は…?!

橋本

病院から在宅にうつられて、ギャップを感じる場面はありましたか?

川上さん

色々とありましたね~。

まず大前提として、病院は治療の場で病気や怪我を治すための場所、一方で、在宅は生活をする場で、その人らしさを尊重する場所といった、頭の切り替えをする必要がありますね。

松井さん

在宅は生活の場という意味で私が一番驚いたのは、ある日訪問に行ったら、利用者さんが管からお酒を摂取しているのを発見した時は驚きましたね~(笑)。

橋本

いきなりすごいエピソードを(笑)。

松井さん

あとは、私がケアマネジャーをしていた時に受けた、独居で寝たきりの50代の方がとても印象的でした。

 

私は、利用者さんが「帰りたい」と希望される時は滅多に断らないのですが、この方は独居のうえに気管切開、経管栄養の寝たきりの方だったので、さすがに自宅へ帰すのは難しいだろうと諦めていました。

 

ただ、ご本人があまりにも帰ることを強く望まれるので、次第に、医師や看護師も折れて、結局はご自宅に帰ることができました。

橋本

そこまでして自宅に帰りたいという理由が何かあったのでしょうか…?

松井さん

理由は「テレビ」だったんですよ。

橋本

テレビ!!?

松井さん

そう、私も驚いたのですが、「どうしても自宅でテレビを見たい」ってことが、この方が自宅に帰りたい理由だったんですね。

当時は、「命をかけてまで見るテレビって何なの!?」と思いましたが…。

 

ただ、いま振り返ると、彼にとっては「自宅でテレビを見る」ということが、とても大切な「意思」で、自分の命をかける「選択」だったのだなと感じています。

橋本

在宅は「その人らしさ」を尊重する場、ということを改めて認識させられますね。

川上さん

私も多くの利用者さんを看護してきて、「その人らしさ」というものに触れる機会がたくさんありました。

その度に「訪問看護をやっていてよかったなぁ」と、いつも思います。

 

利用者さんやそのご家族に寄り添って一緒に泣いたり笑ったり…、利用者さんを支えているはずが、いつのまにか自分が救われているということも何度もありました。

松井さん

訪問看護師は、利用者さんやその家族に支えられながら育っていくものだとつくづく感じますよね。

新卒でも既卒でも! 充実したサポート体制で未経験者が一人前の訪問看護師に!

橋本

聖隷福祉事業団全体としての訪問看護ステーションの運営方針などはありますか?

松井さん

まず、スタートしたばかりのこちらの浦安事業所を除いて、ほぼどのステーションも大規模化をしていて、常に100~150名程の利用者さんがいます。

橋本

訪問看護ステーションを運営していくうえで、大規模化を目指していくメリットは大きいですよね。

松井さん

そうですね。

聖隷の場合は、どのような利用者さんも断らない方針をとっていて、立ち上げ時から一貫して24時間体制を敷いています。

そのような運営方針を継続していくためには大規模化をしていく必要がありました。

あとは、チーム制での看護を採用している点も一貫した特徴ですね。

非常勤も参加するカンファレンスは週1回必ず行っています

カンファレンスをしっかり行うことで、看護の質のボトムアップを図りながら、チームとしてその人を支えていく意識を共有しています。

橋本

お話から、様々な症例の利用者さんを看ていくことになるかと思うのですが、教育面はどのようにされていますか?

松井さん

フォロー体制・教育体制・バックアップ体制も、手厚く用意しています。

昨年度は訪問看護での新卒採用もはじめて実施しました!

橋本

新卒採用もされているのですね!

聖隷グループの場合は、病院や各種施設も持っているので、そちらと連携しながらの教育や研修を行える点も教育面では大きなメリットですね。

松井さん

そうですね~。

新卒でも既卒でも、時間をかけて一人前の訪問看護師へと育てていくので、訪問看護未経験の方も是非ご検討を頂きたいですね。

経験不問・スキル不問? 聖隷福祉事業団が訪問看護師に求める資質とは?

橋本

こちらの浦安事業所にはどのような方がマッチするとお考えですか?

川上さん

う~~~ん、何よりも「人が好き」であることが大切かと思っています。

その姿勢があれば、細かい看護観や価値観が異なっていても歓迎ですかね(笑)

橋本

なんか意外な感じがします。

看護観や価値観の目線合わせがないと、事業所運営がやりづらくなりそうですが…。

川上さん

それはおっしゃる通りなのですが、利用者さんも色々な価値観を持った方がおりますから。

様々な利用者さんと多面的に関わっていくには、様々な看護師が揃っていた方が良いかなと。

 

あとは職場環境や利用者さんとの細かな調整は、私の仕事なので(笑)。

橋本

懐が深い(笑)。

管理者にそう言って頂けるのであれば、現場の方々も安心して働けそうですね!

橋本

聖隷福祉事業団の訪問看護部門全体をみている松井さんからみた、聖隷の訪問看護ステーションにマッチする人材はどのような方でしょうか?

松井さん

私もそこまで明確な人物像って決めてなくて、

「ご自宅に帰りたい方の支援をすることにやりがいを感じられる」

という点がクリアしていればOKですかね。

橋本

例えば、看護師としての臨床経験や技術、知識などはあまり気にされない?

松井さん

そういった点は入職してから勉強してもらいますし、皆さんそれで十分育ってくれていますから。

 

ね?(チラッ)

川上さん

は、はい!!!(汗)

教育に関しては安心してください(笑)。

橋本

(笑)。

今は管理者となられている川上さんですが、松井さんが浦安事業所の所長として打診をされた際は断られたとか?

松井さん

そうなんですよ!!!

何度もお願いしてやっと受けてもらえました(笑)。

 

今の川上さんの働きを見ていると、仕事へ取り組む姿勢や話し方から何から、立場が変わることが、こんなにも人を成長させるんだなと強く感じました。

前までが悪かったという意味ではないのですが、所長になって本当に変わったなぁ~と。

川上さん

そう言って頂けて本当に光栄ですっ!(汗)

 

所長になったことで、利用者さんだけではなく、スタッフに対しても責任を持つようになったので、「みんなが幸せになるにはどうすればいいのだろう…」と日々悩んでいます。

どうせ働くなら楽しく仕事ができる事業所にしたいと考えていますので。

橋本

そろそろ最後となるのですが、

川上さんは、この浦安の事業所をどのような訪問看護ステーションにしていきたいとお考えですか?

川上さん

その地域にとって「なくてはならない存在」が理想ですかね。

 

コンビニのように気軽に使えて、健康のことで困ったら何でも相談ができる場所。

家族がいても独居でも、どんな人でも自分らしく暮らしていく支援ができる、

そんな訪問看護ステーションにしたいと思っています。

橋本

今日のお話を伺っていて、川上さんなら、そのような訪問看護ステーションをしっかりと作っていけるような気がしました。

 

本日はありがとうございました!

川上さん・松井さん

ありがとうございました。

取材を終えて

橋本

医療職として働いている人間であれば聖隷福祉事業団の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 全国に多数の病院や施設を展開する大きな母体を持つこちらの訪問看護ステーションでは、ステーションの大型化や、チーム看護、新卒も受入可能な教育体制など、訪問看護師が働きやすい環境づくりがしっかりと構築されています。

「患者さんをご自宅で支えていきたい」という想いを持っていることが唯一のパスポートです。是非、ご検討下さいませ!

事業所情報

事業所名 聖隷訪問看護ステーション浦安
運営会社 聖隷福祉事業団
所在地 千葉県浦安市北栄 1-2-25 アドバンスビル3階
最寄り駅 東京メトロ東西線「浦安」駅 徒歩2分
在籍人数 7名
従業員の平均年齢 40代前半

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