親と子どもたちと私
〈2018年4月〉に引っ越したばかりの綺麗な職場!
よろしくお願いします。
本日、急遽訪問が入ってしまい、あまり時間が取れずすいません…(汗)
いえいえ、訪問のスケジュール変更はよくあることですよね…(苦笑)。
時間の許す範囲で結構ですので、色々とお話をお伺いさせて下さい!
早速なのですが、2018年4月に、こちらの事務所に移転されたばかりとのことですが、雰囲気も良く、綺麗な内装の事業所ですね。
ありがとうございます。
元々は美容院だった場所を改装していて、この部屋はうちのスタッフと、グループ会社である薬局スタッフの休憩室として使われています。
本当は、「子ども達を置いておく場所に良いね」
とも話していたのですが、こういった小物が増えていって、それも今は難しいですね(苦笑)。
確かに、子ども達が入ったら、一発で壊しそうなものが多い…(笑)。
どれも、うちの取締役が趣味で集めている私物なので、いつかは別の場所に運ばれると思うんですけどね(笑)。
小児科・子育て未経験者も安心の「お母さんと一緒になって成長していく」運営体制
こちらの訪問看護ステーションの特徴の1つとして、小児の割合が多いなと感じました。
意図的に小児を受けていこうと?
はい。
訪問看護ステーションを立ち上げる際に関わっていた先生から、
「目黒区は、小児を受けるステーションが手薄なので、小児をウリにしてみてはどうか?」
といったアドバイスを頂いたのが、キッカケでした。
実際にステーションを運営されてみて、小児ニーズはどうでした?
ご依頼は多いですね。
例えば、日赤病院さんからは、結構な数の小児の紹介を頂きますし、他の連携先からも、
「小児だったらあんずがあるわよ」
と、ご紹介を頂くことも多いです。
あとは、地域のお母さん同士のネットワークでのご紹介ですかね。
お母さん同士の情報交換で、こちらのステーションが紹介をされる感じ?
そうです そうです!
「うちもお願いしたいのですが、空きはありますか~?」
といった感じのご連絡を頂きます。
なるほど!
こちらの小児は、それだけ連携先やご利用者から、信頼をされているといったことですね!
小児科未経験の看護師さんの多くは、小児に対する不安感が強い方も多いのですが、こちらのスタッフは、小児科病棟の経験者は?
いえ、実はうちのスタッフも、小児科は未経験の者ばかりなんです。
未経験で、しかも小児となると、最初は抵抗があるのは当然かと思うのですが、
同行訪問の期間をしっかりと設けて、徐々に現場に慣れていってもらったり、
あとは小児の研修に参加してもらったりして、安心して訪問ができるよう、サポートしていますね。
あとは、うちの小児看護のコンセプトとして、
「お母さんと一緒に成長していこう」
ってことを掲げていて、いきなり完璧な看護を提供できるとは思っていないですし、それはご家族側にも理解をして頂いています。
「小児だから」と気負うことなく、訪問に臨んでもらえればな、と。
管理者からそう言って頂けると、スタッフもだいぶ気持ちが楽になるような気がしますね!
ちなみに、スタッフは、子育て経験がある方が多いのですか??
そうでもなくって、本当にたまたまなのですが、うちは子どものいないスタッフが多いんですよね。
それは意外な感じもしますね…!
そうですよね。
なので、「子育て経験が無い」という方でも、うちは大歓迎です!
ただ、「子どもが苦手」「子どもが好きじゃない」という方は、さすがに厳しいですが…(笑)。
先ほど、スタッフさんのお話がでましたが、何でもこちらは、「Wワーク」をされている方が多いとか??
そうですね。
もともと別の仕事をされていて、
「空いている時間を使って、訪問看護もやってみたい」
というパターンの方が多いかな?
Wワークやパート勤務の方を、積極的に採用しているってことはないですよね?
それはないです!(笑)
今は特に、常勤として働ける方を、絶賛募集中ですので!
あと、うちは営業時間が、9:00~17:00となっているのですが、
ご利用者さんの中には、
「18時以降の訪問をお願いできますか?」
といったご相談をされることも増えていて、
午後~夕方帯をメインとした、パート勤務が可能な方でも嬉しいです。
そもそも、定時を17時までとしたことには、何か意図があったのですか?
子育て中のスタッフがいたので、子どもの送り迎えとの兼ね合いを考えると、終業時間が18時だと厳しかったんですよね。
あと、そういった時間的制約がない方でも、17時に仕事が終われば、その後に自分の時間を持てるようになって良いのかな? といったことは考えていました。
プライベートと仕事との融通が効きやすい、といったことは、働くうえで大変有り難いことですね~!
ちなみに、Wワークをされているスタッフが多いことで、メリットに感じる点はありますか?
色々とありますよ!
例えば、電話相談の仕事をしているスタッフからは、
インフルエンザの流行状況とか、地域の保健に関する情報をもらうことができますし、
目黒区の小児関連施設で働いているスタッフからは、小児に関する様々な情報や、連携の橋渡しをしてもらうことができます。
ただ、Wワークをしているスタッフの場合は、
「この時間は、別の仕事が…」
といったことが起きてしまうことも事実なので、
もう少しスタッフの人員を増やして、訪問スケジュールに余裕を作っていくことは、今後の重要な課題ですね。
自身の母親としての原体験から始まった「在宅」「小児」看護への想い
ここからは、伊藤さんのご経歴について、お伺いをさせて下さい!
はい。
私は、出身が青森県でして、高校卒業後に、東京の准看護学校に進学をしました。
卒業後は、准看護師として長く働いて、正看護師の資格を取ったのは、40代になってからなので、割とまだ最近なんです。
准看護師としてのキャリアが長かったのですね。
その時は、どのような病棟で働かれていたのですか??
最初は、総合病院で胸部心臓外科の病棟でした。
そこで、病棟を5年、オペ室を2年、経験しましたね。
その後は、どのようにしてこちらの訪問看護ステーションへ?
総合病院から転職をして、透析室やクリニックでの外来で働いていたのですが、
そこのクリニックの先生が、訪問看護ステーションの立ち上げに関わっていて、
「やってみない?」と声がけを頂いたのが、キッカケでした。
その時のクリニックの先生も、こちらの訪問看護ステーションに関わっている??
そうですね。
うちの社長とクリニックの先生が、従兄弟なんですよ。
それで、(ステーションの立ち上げ前から)ケアマネと薬剤師はいたので、
在宅分野に特化をして、訪問看護をやってみよう、という話になったようです。
未経験だった訪問看護でのお声がけがあった時、伊藤さんの中で、抵抗感はなかったのですか??
それはなかったですね。
在宅は、元々やりたかった分野だったので!
ちょっと私事になってしまうのですが、私、3歳の子どもを亡くす経験をしていまして…。
色々な事情が重なった結果だったのですが、たぶん母親として、驕りがあったのだろうな、と自分では考えているんですね。
「看護師の自分がみているのだから大丈夫」
と。
そのような経験をしたからこそ、
「自分であれば、ご病気のあるお子さんのお母さんをサポートできるのではないか?」
といった想いを漠然と持っていました。
それが、現在の「在宅」「小児」といった分野に、繋がっていったのだと思います。
実際に訪問看護で、色々なお母さんのサポートをするようになって、どうでしたか?
すごく楽しいですよ!
やり甲斐も感じますし、自分に合っているなと思っています。
1歳時から看続けた、イタズラ好きの女の子とそのお母さん
こちらの訪問看護ステーションを立ち上げられてから、4年目とのことですが、印象深かったご利用者さんやご家族はいますか?
ちょうど立ち上げ期から看ている、小児のご利用者さんですかね。
最初に入ったのが1歳の時で、次は小学校に上がる年齢になった子なのですが、
子どもがだんだんと成長していく過程に関わっているので、とても感慨深いですし、何というか……嬉しいですよね(笑)。
1歳の時から訪問に入っていれば、ちょっとした親族よりも、よほど身近な存在になりそうですね!
ちなみに、どのようなお子さんなのですか?
呼吸器のついた女の子です。
すごくいたずらっ子なんですよ(笑)。
私が訪問をすると、「知っている人が来た!」って表情をして。
訪問は、伊藤さんが入ることが多い?
いえ、うちはチーム制で、あと24時間も取っているので、私以外のメンバーも、訪問に入るようにしていますね。
多い時ですと、週に5回ほど訪問することもあるので。
呼吸器のついた小さなお子さんですと、外出もしづらいと思うので、
色々な方が訪問をされることは、子どもの発達にも良い影響がありそうですね~。
あ~~~、そうですね!
訪問スタッフをみて、イタズラをしたり・しなかったりするので、ちゃんと人を見ているんだな、って感じはします。
訪問以外に、レスパイトに同行されることはあるのですか?
在宅レスパイトのみですね。
目黒区のレスパイトで認められているのは、在宅のみなんですよ。
なので、お母さんが外出してリフレッシュをするために、私たちが入るといった利用もされています。
お母さんにとっては、それも非常に有り難いサービスでしょうね…!
そうだと思います…(汗)。
あとは、呼吸器が付いていると、洋服の脱着が大変なので、お洋服を切って縫い直す提案をしたり、
お風呂の時に(呼吸器に)水が入らないようにするバンダナを作ってみたり、
お母さんとも良い関係を築けているのかな、と思っています。
ダイレクトに感じる、自分の看護と利用者さんからの信頼
そろそろ伊藤さんの訪問の時間も差し迫ってきましたので、最後に、
訪問看護での転職を検討中の方に向けたメッセージを頂けますか?
バタバタとしてしまい申し訳ございません…(汗)。
訪問看護は、自分の看護や関わりが、ダイレクトに先方へ伝わって、ダイレクトにこちらに返ってくる感じが良いな、と思っています。
先ほどの小児のお母さんの話じゃないですが、
「(自分が)必要とされているな」
という感じが、すごく良くわかるので、それはやり甲斐を感じられるポイントだなと。
また、訪問をして子ども達の笑顔が見られると、すごくパワーをもらえますし、例え辛いことがあっても、それも吹き飛んでしまいます。
お金を頂いて、パワーまでもらって、何だか申し訳ない感じがしてしまいますよ…(笑)。
小児ですと特に、そういった面はあるでしょうね~!
ちなみに、老年のご利用者の場合はいかがでしょう?
ご高齢者の訪問も楽しいですよ!
言葉遣い1つとっても、勉強になることはありますし、人生について教えて頂くことは、本当に多いです。
自転車を漕いで四季を感じながら、小児から高齢者まで、様々なご利用者と深く関っていける訪問看護は、私には合っているな、と強く感じますね。
本日はありがとうございました。
取材を終えて
東急東横線の人気スポット「自由が丘」と「中目黒」の間に位置する「学芸大学」。
住宅街の落ち着いた雰囲気を持ちながら、駅前に広がる商店街には、オシャレなカフェや美味しそうなお店も立ち並び、自転車で駆け回るだけでも楽しいエリアだろうな、と感じられました。
こちらのエリアに事業所を構える、『トータルサポートあんず』では、小児を中心として、様々なご利用者の訪問を受けられております。
小児看護に対しては、抵抗感・不安感が強い方も多いかと思いますが、インタビュー内容の通り、小児科未経験のスタッフ達が、丁寧な同行サポートや研修の利用で、問題なく定着をされてきております。
「小児看護に興味がある!」といった温度感でなくても大丈夫ですので、「子どもが好きだ」という方は是非ご検討下さい。
取材・文章:一和多義隆
事業所情報
事業所名 | トータルサポートあんず |
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運営会社 | エムサポート株式会社 |
所在地 | 東京都目黒区鷹番3-21-14-102 |
最寄り駅 | 東急東横線 「学芸大学」駅 徒歩5分 |
在籍人数 | 看護師:常勤1名・非常勤4名、ケアマネージャー:3名 |
従業員の平均年齢 | 30~50代のメンバーが在籍 |
ステーション詳細 | » より詳細なステーション情報を見る |
今回は、東急東横線「学芸大学」駅の商店街を抜けたすぐ先に、訪問看護とケアマネの事業所を構える、『トータルサポートあんず』の伊藤さんにインタビューをいたします。
よろしくお願い致します!