傾聴できていますか?

インタビュー先の事業所とご担当者様

山田 睦さん 管理者 看護師

ハロー訪問看護リハビリステーション

東京都町田市

この事業所の詳細を見る

ペーパードライバーも安心の、運転教習付き訪問看護ステーション!

一和多

東京都町田市の中心「町田」駅のひとつお隣「成瀬」駅前に事業所を構える『ハロー訪問看護リハビリステーション』の管理者、山田さんからお話を伺います。 

本日はよろしくお願い致します! 

山田さん

よろしくお願いしますっ!!!

一和多

こちら駅の目の前に事業所を構えられていますが、このエリアですと訪問方法は自動車がメインですよね? 

駐車場の確保ってどうされていますか?? 

山田さん

はい、基本的には自動車での訪問となります! 

 

駐車場の確保はうちの事務が頑張ってくれてますね(笑)。 

事務所からなるべく近い位置に駐車場がまとまっているのが理想なのですが、歩いて2分程度のとこから、5分程度のところまで、バラバラと点在している感じです。 

一和多

これだけの人数・台数になると駐車場の確保も大変ですよね(汗)。 

 

ちなみにスタッフさんの中には車の運転に苦手意識がある方いましたか? 

私がご面談する中で特に都内の方は「車の運転が苦手で…」という方は結構多くて…。 

山田さん

全然いますよ~(笑)。 

 

うちに入職が決まってから教習所に通って免許を取得したというスタッフもいるくらいです。 

 

しかも2名!!!(笑)。 

山田さん

あと、うちはその方の運転の得意・不得意に関わらず、

最初は同行訪問や訪問の合間の時間を使って、運転教官のようなことをやっています。 

助手席に乗ったスタッフが、「一時停止線で止まって」とか「左右確認して」とかとか、そんなところまで指導しています。

一和多

本当の教習所みたいですね(笑)。

山田さん

はい(笑)。 

全くのペーパードライバーだったスタッフも1ヶ月くらい経つと運転に慣れていきますね。 

一和多

訪問看護で働くために自分で数万円を出して教習所に通い直した、って方くらいなのですが、こちらではそこもやってもらえる感じですね! 

 

運転に苦手意識がある方も、安心してご入職ください!(笑) 

リハビリメインと言われた訪問看護ステーションからの脱却!

一和多

こちらの会社は、訪問看護の前にデイサービスの運営からスタートしていますね。 

デイは何店舗あるのですか?

山田さん

いま12店舗ですかね。 

ステーションの近くですと、この成瀬にも店舗はありますし、あと鶴間や南町田にもあります。

一和多

それだけ距離が近いと、デイとステーションとの連携はどのような感じでされていますか? 

山田さん

デイを利用していたご利用者が、いよいよ通いが大変になってきて訪問リハを入れるようになり、そこから訪問看護のニーズの方がメインになっていって、といった流れでの連携はありますよ。 

 

その逆で、訪問看護で入っていた人がどんどん元気になっていって「じゃあ、うちのデイも使いますか」って時もあるし、ご自宅近くにもっと条件の合うデイサービスがあればそちらへの紹介もします。 

一和多

他所のデイサービスとの連携も結構されます??

山田さん

うちのデイサービスはリハビリに特化した半日型で、身体を動かして帰るってことがメインなので、利用者さんがデイを利用する目的次第では合わない方も結構いるんですよね。 

 

ただ、それでもうちのご利用者の2割くらいは、うちのデイも使って頂いている方になるのかな?って感じですね。 

一和多

そうなんですね! 

お家の中で過ごすだけではなく、健康だったら外にも出て、逆に身体が動かなくなってきたらお家の中にもしっかりと介入していって、

なんだかすごく地域包括ケア的な感じですね。 

一和多

こちらの訪問看護ステーションのスタッフには、看護師だけではなく、PT、OT、STまで、リハビリスタッフも結構な人数が在籍されていますが、

セラピストさん達は、デイで働かれていたがステーションに異動されたりするのですか? 

山田さん

いえ、異動して来たスタッフは少ないですね。

一和多

逆に看護師メンバーがデイに異動したり、デイのヘルプに入ったりすることは 

山田さん

異動はないですし、あとステーションがOPENした当初、まだご利用者が少なかった時はヘルプに入ることもあったようですが、いまは全くないですね。 

一和多

開所後、順調に訪問看護でのご依頼も増えていった感じなんですね! 

山田さん

いえいえ、最初はそうでもなかったですよ(笑)。 

以前は、うちの看護はリハのおまけみたいに思われていたので、 

「え、ハローさんって看護師さんもいたの?」 

ってケアマネさんから言われてしまうこともありました。 

 

私はそれがすごく悔しくって……(苦笑) 

山田さん

それから徐々に、うちの看護も地域で認知されてきて、お看取りや難病のご依頼増えていきましたし、今では看護単体でのご依頼も半分以上になりましたね。

一和多

なにか、看護側でのご依頼を増やしていくために意識してされたことはありますか?? 

山田さん

例えば、いまって訪問リハビリに入っている方も3ヶ月に1回は看護師が入らないといけないじゃないですか? 

 

あれってご利用者もケアマネも「看護師が入って何をするの?」って頭あるんです 

山田さん

ただ、私は「30分ではなく60分ください。その時間であれば、利用者さんに《安心した》《良かった》と思って頂くことができます」とケアマネにお願いをしてまわったんです。 

 

その結果、「毎月来て欲しい」って方や「月に2回は来て欲しい」という人が全体の3割以上になりました。 

一和多

素晴らしいですね! 

山田さん的には、そういった看護側でのニーズを引き出す自信があったのですか? 

山田さん

はい、やはり看護師でないと見つけられない課題って絶対あると思っていました。 

 

あと、リハビリの指示書って整形外科の先生が書くことが多いのですが、訪問にいってみると、糖尿病だったり腎機能が低下していたりと、先生が把握していない病気やリスクが見つかることがあるんですね。 

 

私達、看護師がそこをいち早く発見して、先生やケアマネさんに報告をしていると、「やっぱりこちらの看護師が入っていてくれた方が安心だ」と評価して頂けます。

一和多

看護が評価されるようになっていったのは、山田さん的には嬉しかったんじゃないですか? 

山田さん

はい、かなり!!!(笑)。 

 

ただ、そうは言ったものの、実際は看護もリハも合わせてのひとつのチームですので、変に看護とリハを切り分けて考えたり、両職種の間で壁ができたりしないように注意はしていますよ。 

病院の便利屋から、老人ホーム、クリニック、訪問看護の立ち上げ屋に!

一和多

ここからは山田さんのご経歴についてお伺いをしたいと思います。 

まずご出身はどちらですか?? 

山田さん

新潟県です。 

その後、新卒で入職をしたのが聖マリアンナ医科大学の大学病院でした。 

そこで、奨学金返済のために3年間勤務をして、その後は200床弱の準総合病院のようなところで20年以上働きました。 

その病院では、本当になんでもやらせて頂いて…(笑)

一和多

なんでも!?

山田さん

そう。私、便利屋だったんですよ(笑)。 

病棟も2年毎でのローテーションで、オペ室と透析以外は全部まわりましたし、現場だけではなく、新卒~中途の教育専任の業務、新しい病棟の立ち上げ、病棟の管理業務もしました。 

 

の後に「病院はもういいかな?」ってなったんですよね。 

一和多

それだけやれば病院は「やりきった」という感じでしょうね(苦笑)。 

その後、在宅に?? 

山田さん

いえいえ。 

その後は、有料老人ホームの立ち上げをして、その後は、訪問診療の先生に誘われてそこのクリニックの立ち上げもしました。 

山田さん

老人ホームでの管理業務や訪問診療で働く中で、どちらも面白くはったのですが、どこか退屈をしてしまって…。 

ちょっと臨床から離れすぎている感じというか……。 

 

それで、たまたま新聞で見つけた訪問看護ステーションの紹介チラシを目にして、ちょっとした好奇心から訪問看護を始めました。 

一和多

そちらのステーションも新規立ち上げだったのですか??

山田さん

そうですね。 

新規立ち上げのバタバタとした状況で管理者もして毎日オンコールも持っていたので、体力的に厳しくなってしまいました。 

 

ただ、訪問看護はすごく面白かったので、引き続き訪問看護師として働きたいなと考えていた中で、たまたまこちらのステーションとご縁が繋が、管理者をすることになったという経緯です。 

母親を亡くした三兄弟の、それぞれが見てきた景色とそれぞれの別れ

一和多

これまで山田さんが看てこられた中で印象深かったご利用者のエピソードを教えて下さい! 

山田さん

やっぱりお看取りはどちらも印象深いですよね。 

 

膵臓がんでお亡くなりになった50代の女性の方がいました 

ご主人がいて、20~30代のご子息が3人いるご家庭で。

山田さん

その方がお亡くなりになった後、私がエンゼルケアをしていたのですが、治療のために髪の毛がなくなっていた方だったので、ご子息がそれぞれに「これ、お母さんが気に入っていたカツラだから使って下さい」と言ったかたと思えば、「いや、お母さんが好きだったのはこっちのカツラだ!」、「お母さんは髪の毛がない状態で死んでいったんだから、こんなのいらない」と、まぁまとまらないんです(笑)。 

山田さん

「あーじゃない」「こーじゃない」と言い合っている場面を眺めていて、

兄弟三人がそれぞれにお母さんに対して持っていた見方や想いも本当に三者三様だったんだな、

ということをご本人が亡くなった後に知りました。

山田さん

私としては「なんでもいいから早く決めてくれないかなぁ…(笑)」と思いながら待っていたのですが、

ただ一方で、お家で亡くなることって、すごく温かくて、すごく素敵なことだなと強く感じたんです。 

一和多

ご本人が亡くなった後のそういった雰囲気は、病院では見られない光景ですよね。 

ご家族たちもそう深くは悲しまなかったのではないですか? 

山田さん

はい、そうですね。 

 

皆さん、本当に「やり遂げた」「看きったぞ」という表情をされていました。

しかも、その「看た」という感覚が、「病人を看た」のではなく「お母さんを看た」という感じなんですよね。

山田さん

やっぱり、病院でのお看取りと在宅でのお看取りは全然違くって、

うちの看護師にはみんなに在宅でのお看取りを経験してもらいたいなと思っています。 

聴くことと想像力が掛け合わさってこその傾聴

一和多

こちらのステーションでは、(60分訪問の目安で)1日に4~5件の訪問が目安と仰っておりましたが、その4~5件というラインは何か経験則なり理由なりがあるのですか?

山田さん

もちろん1日の勤務時間的な制約もありますが、それよりも、(精神的に)疲れるんですよね。 

他の訪問看護師さんで、1日に6件とか当たり前にまわっている方がいるのも知っているのですが、私には無理だな…と思っています。

山田さん

1件、1件の訪問で1時間みっちりと傾聴をするので、それが4件も続くともうヘトヘトになります 

傾聴1時間は、30分はボーッとしないと気持ちが追いつかない。 

一和多

看護師さんにとっては当たり前「傾聴」という言葉ですが、本当の傾聴はそれだけ疲労を伴うってことですね。 

 

ちょっと私の主観も入っているのですが、

救命や急性期の病棟出身の方ですと、慌ただしい時間の中で膨大な量の作業を並行的に処理していかないといけない働き方に慣れてしまっているので、訪問看護の現場に入ってからもルーティン的な傾聴になってしまう傾向はあるのかなと感じています。 

山田さん

それはあるでしょうね。 

 

ひとりひとりにしっかりと時間を取ることができる訪問看護では、ご利用者が喋っていることを聴くことに徹することを大切にしてもらいたいと思っています 

 

そうすると、喋らないような方も結構よく喋って頂けるんです。 

山田さん

例え話として、小さな子どもがお父さんに、 

「お父さん、バス! 青いバスがこっちに来るよ!」 

と言ったとするじゃないですか。 

 

その時、子どもが伝えたいことは、「バスがこちらに向かってくること」でも、「バスの色」でもないんですね。 

「お父さんと一緒に青いバスが見れて、僕は嬉しいよ!」 

ということなんです。

山田さん

本当の「聴く」ということはそういうことで、正確に言葉通りにとることではなく、相手の本当に思っていることや、本当に伝えたいことを引き出してあげることだと思っています。 

一和多

先程、「こちらのステーションにはどのような方が合いますか?」という質問に対して、

「(他人に)興味・関心がある人」といったことを真っ先に挙げられていたじゃないですか? 

 

興味・関心があるから想像力が働き、

想像力が働くからその人の隠れた意図を汲み取れる、

本当の意味での傾聴って、そういうことなのかな?とお話を聞いていて思いました。 

山田さん

そうなんですよ! おっしゃる通り! 

 

それはご利用者に対してだけじゃないんです。同じ職場のスタッフに対してもそう。 

訪問から戻ってきた後に、「傷が…」「出血量が…」と細かく報告をする場面での真意は「(訪問先で)自分がどれだけ怖かったか」「一生懸命観察をして、必死に考えたか」ということを伝えたいんです。 

 

管理者がそこを理解して報告を受けるか否かで、スタッフが働くうえでの安心感も大きく変わるのかなと思っています。 

一和多

本日はありがとうございました。 

取材を終えて

一和多

東京と神奈川のちょうど県境に位置する町田市エリアを中心として、多数のデイサービスを展開する株式会社運営の訪問看護ステーション『ハロー訪問看護リハビリステーション』。

 

通所リハビリから事業スタートをしている法人ということもあり、訪問看護ステーションにも多数のリハビリスタッフが在籍していることは、こちらの大きな特徴の1つです。

 ただし、リハビリのみに特化した運営を目指していることはなく、最近では、リハビリと一緒に入る看護師の評判口コミから、看護指名での依頼を頂くことも順調に増えてきているそう。

 

 そういった意味で、看護とリハ、どちらか一方に寄り掛かることなく、離れすぎることもない、「ちょうど良い距離感」が、様々なスタッフ同士活発なコミュニケーション生んでいるのだろうと思えました。

 

コミュニケーションを大切にされている職場ですので、

「人と話すこと」「人を知ること」「人と繋がること」に興味のある方は是非、ご検討下さい! 

取材・文章:一和多義隆

事業所情報

事業所名 ハロー訪問看護リハビリステーション
運営会社 株式会社オン・ザ・プラネット
所在地 東京都町田市南成瀬1-1-2プラザ成瀬3F-20号
最寄り駅 横浜線「成瀬」駅から徒歩2分
在籍人数 NS7名(常勤4名、非常勤3名)、PT9名(常勤7名、非常勤2名)、OT1名(非常勤1名)、ST2名(常勤1名、非常勤1名) ※訪問リハ専任
従業員の平均年齢 40前後 ※20代~50代のスタッフが在籍!
ステーション詳細 » より詳細なステーション情報を見る

この事業所の詳細を見る

この求人にエントリーする

#ホームケアラインについて