【看護師インタビュー】もっと訪問看護師の仲間を増やしたい!現役の訪問看護師が人材紹介会社を起業した理由 岩本大希編

[記事公開日]2017/08/06  [最終更新日]

・キッカケ|なぜ訪問看護に?

僕は新卒で三次救急を行う大学病院の救命救急センターに配属になりました。

そこで目にした、集中的で質の高いケアとリハビリにより後遺症等を抱えながらも回復をしていく人々が、なかなかすぐには家に帰ることができないことがある現実に対して、より適切なタイミングで退院ができないのか、という問いを持ったことが訪問看護に興味を持ったキッカケだったと思います。

また、事前の話し合いがなくてはご本人の意思確認が難しく、ある意味で延命のためともなりえる治療の現場において、本人、家族、取り囲む医療者で誰がハッピーだったのか分からない状況に陥らないために、救急車で運ばれることになるもっと手前のタイミングで看護職としてできることはないのか?といった問いを持つようになりました。

そして、それなら、僕自身が受け皿となり、また真に命の選択を迫られる前から介入をすることのできる、「訪問看護をやろう」という思いに至りました。

・働く|訪問看護の仕事は?

訪問看護は自宅で療養している方や障害をお持ちの方、これから家に帰る方への支援を主にしていきます。

勤務時間のほとんどは日中の時間帯で、家から家で移動し、一日4~5件の訪問を行っている事業所が多いです。

夜間の対応については、事業所によって違いがありますが、オンコール対応で、所長が主に行っているところ、持ち回り制で行うところとあります。

オンコール対応をしていない事業所もありますが、今日では24時間対応の事業所が求められているため、対応をしている事業所が多い印象です。

オンコールというと辛いイメージがありますが、病院や施設での3交代・2交代勤務に比べると、身体的な負担は各段に少ないと感じます。

基本的な活動・勤務時間が日勤メインになるため、病院から転職をされた方は、身体の調子がすこぶる良くなったという話をよく聞きますし、ちなみに私自身もそうでした。

・紹介|なぜ人材紹介を?

2025年を迎えるにあたり、日本看護協会、全国訪問看護事業協会、日本訪問看護財団の3団体は15万人の訪問看護師が必要だと提言しています。(※参照:『訪問看護アクションプラン2025』)

しかしながら現在、150万人以上いる看護師のうち、訪問看護に従事しているのは約4万人程度で、そのうえ平均年齢が48歳と若手看護師があまりいないのが現状です。

では看護師が訪問看護に興味がないのかというと、実はそうではありません。就業している看護師のうち訪問看護に興味がある人は31%

(※参照:日本看護協会調査研究報告<No,75 >2006 2005年看護職員実態調査)

看護学生でも訪問看護に就業したいと考えている人が19%もいます。

(※参照:看護系大学協議会2001年調査)

”経験がないと難しそう””教育があるのか不安”など、いろいろな理由があって、このミスマッチが生まれている状況なのです。

そこで、訪問看護師が日本にもっともっと増えていくことを目指して、訪問看護に興味のある看護師と素敵な事業所をつなぐため、訪問看護師による訪問看護に特化した人材の紹介をすることを考えました。

・オススメ|オススメの事業所は?

様々な要素はあるのですが、大きなポイントとしては以下の3点は重要かと感じています。

1)直接的なコミュニケーションでも間接的にSNSや社内ツールを使った仕組みでも、事

業所内での看護師同士のコミュニケーションが多いこと。

2)OJTの仕組みなど、初期教育のシステムを持っているところ

3)マネジメントを担う人やチーム内に、看護師がいること

・想い|訪問看護への転職者にメッセージ

”看護を行う”というのは、対象の方がどのライフステージでも、病院でも家でも施設でも、個人でも世帯でも地域でも、求められ活躍をすることができ、その本質は変わらないと思っています。

ただ個人的には、その中でも特に”訪問看護”は、”看護をする”ことの魅力を感じやすく、自分の何か大事な部分を大きく揺さぶられるような瞬間がある、貴重な仕事だと思います。

僕は訪問看護に取りつかれた(笑)ヒトの一人ですが、社会にとって切実に求められ、且つ、本当にお勧めしたい仕事である”訪問看護”を、

ぜひあなたの看護師人生の中のどこかで、やってもらえると幸いです。そのときはぜひご相談ください。

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▼筆者

岩本 大希 (いわもと たいき)

▼筆者プロフィール

看護師|ウィル訪問看護ステーション江戸川 所長

総合大学の看護医療学部を卒業後、神奈川県相模原市にある北里大学病院の救命救急センターのICU等で看護師として従事。三次救急のドラマティックな看護を経験しながら、患者が家に帰りたくても帰れないことで救急車のたらいまわしが起こる「ベッドの玉突き事故問題」や、突然の搬送・救命治療での充分な意思決定の時間が足りない事を問題と捉え、在宅医療・ケアの受け皿としてヘルスケアベンチャーにて24時間365日対応の訪問看護事業を起こす。

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岩本 大希

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総合大学の看護医療学部を卒業後、神奈川県相模原市にある北里大学病院の救命救急センターのICU等で看護師として従事。三次救急のドラマティックな看護を経験しながら、患者が家に帰りたくても帰れないことで救急車のたらいまわしが起こる「ベッドの玉突き事故問題」や、突然の搬送・救命治療での充分な意思決定の時間が足りない事を問題と捉え、在宅医療・ケアの受け皿としてヘルスケアベンチャーにて24時間365日対応の訪問看護事業を起こす。
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