【看護師コラム】訪問看護師が入れる施設とそうではない施設! 訪問看護における“居宅”での定義とは?

[最終更新日]

看護師の岩本です。

本日は訪問看護師の訪問先に関するコラムです。

訪問看護をする中で、対象となる利用者(患者)さんたちは、いわゆる「自宅」に住んでいる方だけとも限りません。

地域には様々な「家」や「家に準ずる場所」あるいは「家でも病院でもないところ」に人は住んでいて、訪問看護師は、多様な場所に訪問をします。
今回はその中でもいくつか代表的な「住む場所」をご紹介します。

○「居宅」という概念

在宅ケアにおいて、「居宅」とは必ずしも自宅のことを指しません。
もちろん自分の住む家の事もそう表現するのですが、
例えば、よく聞くサービス付き高齢者専用賃貸住宅(サ高住、高専賃、などと略しますね)などは通常のマンションと同じような考え方ですね。

あるいは一見すると施設のように捉えられがちな、有料老人ホームやケアハウスなど介護保険の特定施設の指定を受けたものはは居宅とされ、
そこに移り住んだということになります。

逆に、居宅ではなく施設、とされるのは、老健(介護老人保健施設)、療養型(介護療養型医療施設)、特養(特別養護老人ホーム)などとされます。

これらの住む場所によって、「入居」と言ったり「入所」と言ったり表現が変わるのはそのためですね。
○訪問看護師が訪問できる施設とその条件

では、
・訪問看護師が訪問できる先はどこなのか?
・その条件は?
といったことについてまとめていきたいと思います。
まず、自宅ではないけど“居宅”とされるケアハウス(軽費老人ホーム)、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等で
特定施設としての指定を受けていないものについては、介護保険を利用しての訪問看護が可能になります。もちろん、医療保険での訪問も可能です。

逆に「特定施設の指定」を受けていた場合はできませんので要注意です。

次に、グループホーム、小規模多機能型居宅介護などにおいては、介護保険での訪問看護はできませんが、医療保険を利用することのできる疾病(人工呼吸器使用やALS、末期がんなど)
においては利用が可能になります。
また、急な体調の増悪により特別訪問看護指示、というものが出れば期間限定で可能になります。

そして特別養護老人ホーム、短期入所生活介護(ショートステイ)においては、ガンの末期の方のみにおいては訪問看護が可能になります。
それ以外の方は、できないのです。
そして、いずれの条件に関わらず利用できないのは、介護老人保健施設になります。

以上のように、利用者がどこに入所・入居するかで、訪問看護が利用できるかどうかが変わってくることを覚えておくと、
利用者のケアマネジメント・調整業務に役立つときがあると思います。

ちなみに、施設と訪問看護ステーションが直接の業務委託契約を結ぶと、保険に関わらず看護の提供が可能になることもあり、
意外と多く行われている連携の一つだったりします。

保険や制度の仕組みは一見難しいようですが、利用者の生活には大切な視点ですね。

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▼筆者

岩本 大希(いわもと たいき)

▼筆者プロフィール

看護師|ウィル訪問看護ステーション江戸川 所長

総合大学の看護医療学部を卒業後、神奈川県相模原市にある北里大学病院の救命救急センターのICU等で看護師として従事。三次救急のドラマティックな看護を経験しながら、患者が家に帰りたくても帰れないことで救急車のたらいまわしが起こる「ベッドの玉突き事故問題」や、突然の搬送・救命治療での充分な意思決定の時間が足りない事を問題と捉え、在宅医療・ケアの受け皿としてヘルスケアベンチャーにて24時間365日対応の訪問看護事業を起こす。

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岩本 大希

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総合大学の看護医療学部を卒業後、神奈川県相模原市にある北里大学病院の救命救急センターのICU等で看護師として従事。三次救急のドラマティックな看護を経験しながら、患者が家に帰りたくても帰れないことで救急車のたらいまわしが起こる「ベッドの玉突き事故問題」や、突然の搬送・救命治療での充分な意思決定の時間が足りない事を問題と捉え、在宅医療・ケアの受け皿としてヘルスケアベンチャーにて24時間365日対応の訪問看護事業を起こす。
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