【看護師コラム】訪問看護は給与が低い? 知っておきたい訪問看護のお給与事情
[記事公開日]2017/08/06 [最終更新日]
看護師の落合です。
「訪問看護には興味あるけど、給料下がるのはちょっと…。」
友人の看護師などから、よく聞かれる言葉です。
給料の低さが原因で、訪問看護には興味はあるけど転職をためらう方も多くいます。
やはり病棟看護師に比べて訪問看護師の給与低いのでしょうか?
看護師の平均年収は480万円前後。それに比べると訪問看護師の平均年収は約50万円程度下がるそうです。
ボーナスを考慮せず50万円下がるとすると単純に毎月約4万円程度収入が下がることになります。結構大きいですね。
しかし、あくまで平均年収なので職場の選択や働き方によって給料は様々です。
病院看護師も職位や、夜勤の数によって給料は変わります。訪問看護も同様です。
訪問看護によくありがちな手当について少しだけ紹介します。
○「夜間待機」「オンコール」
24時間対応や体制を敷く事業所ではオンコールといって緊急用の携帯電話を持つ場合があります。
その場合、携帯を持つことによる手当や、実際に出動した際にも追加で手当を出す事業所があります。
○訪問件数に応じた「インセンティブ」
一定の件数以上を訪問すると、定数以上の訪問に対しインセンティブ(ボーナス)がつく事業所があります。
例えば定数を70件、インセンティブ2000円/とします。当月20日勤務して4件/日の訪問をすると、月80件の訪問となり、
2000円×10件=20000円の手当がもらえることになります。
○管理者などの職位に応じた「役職手当」
管理者や所長などの職位による手当がある場合があります。
訪問看護師はまだまだ不足しています。訪問看護ステーションは常勤5人程度の小~中規模の事業所が大半を占めること、平均年齢が40後半と高いため、しっかりと訓練を積めば管理者になる機会は病院より多いかと思います。
私が20代前半で病院勤務の頃は病棟スタッフが少ないことや、奨学金を早く返したいために夜勤を多くしていました。
病棟看護師さんの中には夜勤手当のため、先輩より給与が高いということもよくありますよね。
訪問看護も同様に手当が複数ある場合が多いので、一概に低いとは言えないのです。
病棟看護師にとって訪問看護という想像しにくい世界が、給与という一端を通してでも身近に感じて頂けると幸いです。
今回は取り上げた手当はあくまで一例なのですが、
他にも様々な手当や福利厚生を用意しているユニークな事業所が多くあります。
訪問看護にご興味のある方、見学してみたい、将来のキャリアとして訪問看護も気になると思う方は、是非お問い合わせくださいませ。
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▼筆者
落合 実 (おちあい みのる)
▼筆者プロフィール
緩和ケア認定看護師|ウィル訪問看護ステーション所属
高校卒業後、勤労学生として福岡市内の有床診療所に勤務しながら看護学校へ進学。 准看護師、看護師の資格取得に合わせて有床診療所から大学病院、訪問看護ステーションと、施設の種類を変えながらも一貫して終末期患者の看護に従事。上京後は看護師勤務と平行してWEBデザイン学校や日本政策学校に通学し修了。現在は緩和ケア認定看護師として訪問看護に従事しながらウィル訪問看護ステーションの教育や広報、採用などの仕組み構築の一端を担う。