精神科病棟未経験からの転職。精神科訪問看護の現場で感じた、他科との違いとご利用者との向き合い方

転職先選びのポイントは?

  1. 精神科訪問看護の経験を積める職場
  2. 人間関係が良く、風通しの良い雰囲気の職場
  3. スタッフの入退職や異動といった、入れ替わりの少ない職場

インタビューご協力者

T.Hさん(37歳、正看護師)

一般企業を経験した後に30代で看護師資格を取得。病棟勤務をする中で、患者さんのメンタルサポートに興味を持つようなり精神科訪問看護ステーションへ転職。現在は、同じく精神科領域で2箇所目となる訪問看護ステーションにて勤務をしている。

趣味・好きなものを教えて下さい!

月並みですが、甘いもの全般が好きです!   職場の近くには『スイーツ100名店』に選ばれたお店もあって、 よくうちの社長が色々な種類のスイーツを買ってきてくれます。 つい先日はアップルパイを頂いたのですが、とても美味しかったです!   今後も楽しみにしています(笑)。

転職前の訪問看護のイメージって?

T.Hさん

私の場合は、看護学生の時は特別「在宅」に強い興味はなかったです。

 

少し身の上話になってしまうのですが、社会人経験を経て看護学校に入学をしたこともあり、奨学金の返済のために卒業後しばらくは病院で働くことが決まっていたんですね。

「しっかりと経験を積むためには、まずは急性期だろう」と急性期病棟に希望を出したのですが、そこで苦労をしました(苦笑)。

急性期の教育システムや、様々な業務を並行してこなしていくことが決定的に合っていなかったんですね。

また、病棟で働く中で「患者さんの病気以上に、病気を持った患者さんの気持ちと向き合うことができる働き方はできないのかな?」と考えた際に、漠然と訪問看護が頭に浮かんだ程度でした。

精神科訪問看護に転職をしようと思ったキッカケは?

T.Hさん

特殊疾患病棟で勤務をしていた際にALSやパーキンソン病の患者さんと関わることが少なくありませんでした。

当然、患者さんやご家族は不安定に傾いたり、心の整え方がわからず苦しい気持ちを抱えることにもなります。

そういった方々のメンタル面でのサポートもしていければなと思ったことがキッカケでした。

また、同じ院内に精神科病棟もあったので、ベッドコントロールなどで、そちらの患者さんと関わる機会もありました。

 

「精神科って怖くない?」といった声を耳にすることもあるのですが、私の場合はそのような気持ちは全くありませんでした。

私たちよりも余程、優しくて純粋な方も多いというか…。

一方で、精神疾患を持たれている方の中には、言葉にはしなくとも敏感にこちらの真意を感じとる力があるように感じています。

相手から危害を受ける恐怖よりも、自分のふとした言葉や態度が相手を傷つけてしまうのではないか?といったことへの不安感の方が大きかったです。

前職の訪問看護ステーションからの転職を考えた理由は?

T.Hさん

理由はいくつかありました…(汗)。

 

まず、前職のステーションでは2年弱ほど働かせて頂いたのですが、その間も人の入れ替わりが多い職場でした。

そうなると、働いているメンバーやご利用者さんも落ち着かない印象を受けていました。

 

また、経営・運営の方針が、利用者さん主体では無いように自分には感じられました。

もちろん会社なので売上をあげることも大切なのですが、無理な拡大や運営をすると、そのしわ寄せは最終的には利用者さんにいってしまうので…。

 

どちらをとっても、腰を据えて長く働ける環境ではないなと感じて、転職を決意しました。

訪問看護への転職活動はどのように?

T.Hさん

いま思い返すと後悔も多々あるのですが…。

 

1回目の訪問看護への転職は、割とあっさりと決めてしまったんですね。

私の中で「精神科訪問看護」といった軸こそ決めていたのですが、それ以上の判断基準は何も持ち合わせていませんでした。

当時、訪問看護に関する知識も全然無かったので、「何が分からないかも分からない」「(面接時に)何を質問すれば良いか分からない」「どうせ働いてみないと分からない」といった開き直りから、エージェントから紹介された1つの事業所を「給与条件」や「通勤距離」といった条件面だけで決めてしまいました。

 

2回目の転職については、前回の反省を活かして自分でも一生懸命情報収集をしました。

その中で運営方針が気になるステーションさんが見つかり、そのステーションの方と在宅医療支援機構の一和多さんが対談をしている記事にたどり着き、ここに相談してみようとなりました。

在宅医療支援機構での転職は(率直に!)どうでしたか?

T.Hさん

2回目の転職は、「考え方に共感できる職場を選んでいこう!」と決めていたので、そういった判断基準を定めるためにも、ご面談をさせて頂いて大変良かったと思っています。

 

ご面談を担当して頂いた一和多さんから、

・利用者さんにとって必要な訪問看護サービスとは?

・そのためにはどのような事業所が求められているか?

・他所の事業所ではどのような運営をしているのか?

といった具体的なお話をして頂き、また、その内容が自分としてもすごく共感できるものだったんですね。

 

結果として、最初から最後まで迷うことなく、安心して転職活動を終えることができたと感じています。

転職した職場はどうですか?

T.Hさん

とても安心感のある職場だと思っています。

 

精神科訪問看護の現場って、言葉選びや応対にどれだけ細心の注意を払っていても、それがご利用者にとって不快になってしまうことや、裏目に受け取られてしまう場面があるんですね。

 

そんな時も、うちの社長や所長からは、

「あなたがご利用者にとって良いと考えてやったことであれば、関係が崩れてもフォローするから大丈夫。」と、言い切ってもらえました。

私としては、それがすごく大きな安心感で…。

社長も所長も、どのようなことにも動じずに、いつも穏やかに受け止めて頂けることに、とても感謝しています。

 

また、余計な研修やカンファレンス、無駄な業務が一切無いところも魅力的です。

カンファレンスは、気をつけないとスタッフの傷付き体験に繋がると感じていて。

所長もメンバーも、話し合うべきところでは向き合って議論します。

けれど、無理に何かをやろうとして負担となるようなことは無く、リラックスして次の仕事に取り組めるよう配慮して下さっています。

 

…こんなに早く帰れる職場は初めてで、良いのかな?とびっくりするくらいです(笑)。

精神科訪問看護への転職を考えている人へのメッセージ

T.Hさん

精神科訪問看護、とてもやり甲斐があると感じています。

 

私の主観なのですが、精神科は他科と比べて「医師の指示通りにケアをする」といった色合いが薄い気がしています。

1人1人のご利用者に合わせて、ケアに看護師自身の色を乗せることができる余白が大きいように感じています。

ご利用者の想いを汲み取れるよう関わりつつ、事業所で相談したり、自己研鑽を積み重ねていくと、ふとご利用者が良い表情をされる瞬間があるのですが、それがたまらなく嬉しいですね。

 

あと、精神科訪問看護への漠然とした恐怖感を持たれている方へのメッセージとして、大原則として、訪問先は医師からの指示があった方のみですし、看護師にリスクが生じるような方の場合は医師も訪問指示を出さないです。

また、事前に詳細な情報共有はされますので、こちらも十分な準備をしたうえで訪問に臨むことはできます。

むしろ、他科と比べても想定外の状況は起こりづらいのかとすら感じています。

 

私自身、まだ数年程度のキャリアでしかないのですが、精神科訪問看護の業務の中で、身の危険を感じるような場面に遭遇したことは一度もありません。

転職先

クローバー訪問看護ステーション板橋

東京都板橋区前野町2-4-5 大商第一マンション303