施設看護と訪問看護と
品川区「西大井」駅で、2018年にOPENした訪問看護ステーション!

はい、よろしくお願いします!

こちらのホームページ(※)に掲載されているイラスト、素敵ですね~!
どなたが書かれたのですか?
※http://shunkoufukushikai.or.jp/nursing-rehabilitation.html

ありがとうございます!
これ、うちのOTさんが書いたんです(笑)。
まだ新設のステーションなので、利用者さん向けとケアマネさん向けの両方を作って、営業に使っています。

なるほど!
営業での反響は良いですか??

そうですね!
最初はそうでもなかったのですが、いきなりワッと依頼が増え始めて、今は早くも、訪問の人員が足りていない、といった状況ですね(汗)。

事業所の立ち上がりとしては良い流れじゃないですか!
ご利用者はどのような方が多いですか?

いま時点ですと、がん末期ですね。わりと生保の方も多いのかな? といった印象です。
私は、他所のエリアのことは知らないのですが、他での訪問看護も経験しているスタッフは、
「西大井って品川区なのに思ったよりも生保のご利用者が多いのね…」
と驚いていました。

そう言われると、たしかに意外だ……。
今後、エリア的には拡大をしていく予定はありますか?

あまり広げていくイメージはないですね。サテライトなど設置する気はありません。
社会福祉法人ですから、地域に根ざしたステーションとして、西大井の地区の方と、しっかりと向き合っていければ良いかな、と思います。

通所・入所の施設をもっているからこそ活きる、在宅との連携

こちらの訪問看護ステーションの特徴の1つとして、
社会福祉法人が運営をする「施設併設」の事業所
といった点があるのかなと思っています。
特養、デイサービス、グループホームがあり、リハビリの方も複数名在籍されていて。
そういった、通所サービス、訪問サービス、入所サービスとの連携の流れは、どのようにされていますか?

今までは、「デイならデイ」「特養なら特養」と、それぞれ所属別に担当をしていたんですね。
それを『看護・リハビリ課』という1つの所属から出すようにしたんです。
そちらの方が、情報が1つに集約されますし、連携もスムーズなので。
このような中で横断的に医療情報などをみることができるようにと法人内の医療職をまとめて平成28年4月に看護リハビリ課を作りました。
そこに訪問看護が加わり、在宅から関われるようになったことは大きいと思います。
家族との関係もより近くなったので、継続した看護をしていくといった点は、大切にしていきたいなと。

地域包括ケア的には、理想的な流れですね。

そうですね~。
ただ、うちの実情として、まだまだ未整備な点や、リソース不足の点もあって、満足にはできていないことも多々あるのですが…。

こちらの施設なども拝見をして、これから先、そこの連携がよりスムーズになる体制づくりは、やっていけそうだと感じましたけどね?

ありがとうございます。それが法人の中の大きなテーマです。
そのためにはまず、スタッフにも、施設看護と在宅看護の両方に、関心を持ってもらう必要があるんですよね。

「在宅は在宅」、「施設は施設」、といった感じで、区切って考えてしまいがちかもしれないですね。
真原さんご自身は、いつ頃から、そこの連携の重要性を感じるようになりました?

私は、ずっと特養で働いていたのですが、もう少し在宅側からの申し送りがあると嬉しいな、と感じる時がありました。
例えば、排便コントロールでも、褥瘡の処置でも、家族に聞いてもわからないような細かな情報、だけどそこを把握していないとご本人が困ってしまうような…。
そんな情報の連携がしっかりとされると良いな、と思ったんですね。

在宅も施設もまるっと看ることができる点は、利用者さんにとっても、そこで働く私たちにとってもメリットが大きい、ということを理解してもらえる方と一緒に働ければな、と思っています。


訪問看護の中でも法人内のグループホームやデイサービスの健康管理をしていますが、業務量の割り振り的にはどのような感じに?

グループホームは週一回、デイサービスは営業時間内に数時間程度、各事業所と医療連携を結び健康管理をしています。
もちろん、訪問の状況等にもよるので、そこはシフトだったり、メンバー内で融通をしあったりしながら、ですね。

訪問看護と施設系の医療連携をしていく体制は今後も継続していきます?

そうですね。
利用者の医療情報が的確に引き継がれることはとても大切だと思います。
うちの法人の特徴として今後も継続していきたいと思います。

人によって好き嫌いは分かれそうですが、その方が、働き方としても飽きない感じがしますね。

そういったメリットもありますね!

実は本日も、ご家族の介護力の問題で、ご自宅での療養が難しい利用者さんのショートステイでの受け入れを、急遽やることになったんですね。

ご本人は家族が面倒をみてくれないと主張されていて、ご家族は介護疲れをしている、ただ経済的な問題や生保への切り替えが難しいこともあって、現状は自宅以外の選択肢が無いって方でして、ケアマネさん一緒にといろいろと悩んだ結果、併設のショートステイの利用となったんです。
それが決まったのが本日の朝なのですが、急を要することだったので、それからお迎えの車と人の手配をさせて頂き、入所の準備のお手伝いをしていました。

ショートステイでの部屋の空き状況なども、把握されていた?

そうですそうです!
いつまで空いているか把握しているとか、受け入れの人員手配がスムーズにできるとか、そこはまさに、在宅と施設との情報共有がされているメリットだと思います。

高齢者看護を求めて大学病院から特養へ、そして次は在宅に

真原さんの、看護学校卒業後のご経歴を教えて頂けますか?

はい、最初は大学病院でした。
混合病棟で、泌尿器科と婦人科が多かったのですが、それ以外も何でもくるような病棟でしたね。
そこで4年間働いた後に、こちらの特養に転職しました。

キャリア的には、前職の大学病院とこちらの社会福祉法人の2社、って感じなのですね~。
病院の後は、なぜ特養に?

元々、興味のある領域が高齢者看護だったんです。
なので、こちらに転職をして、特養に配属になった時も、自分としては特に違和感はなかったです。

大学病院から特養に移られて、特にとまどった点などはありました??

う~~~ん…、判断が多いことですかね?
病院ですと、先生がいつもいる環境じゃないですか?
ただ特養って、先生は1週間に1回、数時間しかいないので、
「この判断は私がやっていいのかな?」
といった点は、とまどいましたね。

それは、病院と施設との大きな違いですね~。
こちらでは、特養以外には、どのような働き方を?

最初は、特養の専属の看護師でした。
それが途中から、特養とグループホームを兼務するようになり、一時期はグループホームをメインとして働いていました。
ただ、子どもの兼ね合いもあって、その後はまた特養に戻って、といった感じですね。


在宅のことは、いつ頃から意識するように??

グループホームから、特養に戻ったあたりかな?
施設だけではなく、視野を広くして働きたいな、と感じるようになっていたんですね。

それで、訪問看護ステーションの立ち上げに繋がっていくのですね!
こちらの法人では、訪問看護の立ち上げをすることは、止められたりはしなかったのですか??

わりと、やりたいことは好きにやらせてくれるんですよ。
ちゃんと利用者さんのためになることが目的であれば、基本的に「やっていいよ」と言ってくれますね。目的があやふやだったりするときなど、駄目なときは駄目と言われますが(笑)。
ちょうど色々考えていた時に法人から訪問看護の話があがったんです。

こういった法人格ですと、そういった意思決定は時間がかかりそうなイメージですが、そこは柔軟な相談ができる雰囲気なのですね~。
ちなみに、真原さんはお子さんが3人いて、しかも1番下はまだ4歳、とのことですが、
絶賛子育て中の状況で、よく管理者を受けましたね?

タイミングの問題ですかね。
前任の看護師長さんが、定年で退職してしまうこともあって、
「私がやらないといけないだろうな」と覚悟はしていました。

なるほど…。
お子さんの送り迎えなどもやりながら、ってことですよね??

はい、そうですね。
私は管理者なので、仕方がないところはあるのですが、
仕事が終わらない時は、事務所に子どもを連れてきて、作業したりもしていますよ。

仕事を頑張りすぎて、ご主人には嫌な顔はされたりしません?

たぶん、あまりよくは思っていないんじゃないですかね?
ただ、「それが嫌なら、あなたがしっかりと稼いで下さいね」って感じですかね(笑)。

なんだか耳が痛いな~(笑)。

特養も療養型も難しいご利用者へ提案した、ショートステイという選択肢

真原さんにとって、印象深かった利用者さんのエピソードを教えてください。

先程も少しお話をした、ちょうど今日バタバタしている利用者さんのことでも良いですか?

おぉ、リアルタイムな(笑)。
是非お願いします!

ご利用者が70代の男性で、寝たきりの心不全の方なんですね。
あと、褥瘡もある方。
お姉さんが主介護者といったケースになります。

今は、お姉さんとご本人のお二人で暮らされている?

そうですね。
ただ、お姉さんも70歳を超えていますし、まだ働かれていて、お姉さんなりに頑張って介護されていたのですが、第三者から見ても在宅での介護は難しいようでした。

それに対して弟さんが、
「オムツを交換してもらえない」、
「(バルーンも入っているのですが)オシッコを破棄してくれない」
といったことを強く主張されたんですね。

その状況で、お姉さん1人で看ることは、限界がありそうですね…。

そうですよね…。

あと、ご本人も寂しい感じがあるのか、ヘルパーの呼び出しをしてしまうんです。
お話をしながら処置をしていると「えぇ~、もう終わったの?」といったようなことも仰って。
呼び出しを頻発すると単位数が足りなくなってしまうので、お姉さんと一緒に指導はしたのですが、なかなか聞き入れてもらえなくって。

そうなると、もう施設か療養型ですよね…。
在宅を選択されているのは、経済面等での問題があったからでしたっけ?

はい。
経済面も医療的処置もあったりで。
施設も療養型も難しく…。
本人が納得されるかはわからないのですが、ちょうど今日からショートステイに入られて、ひとまずお姉さんが少しでも休めれば良いのかな、と思っています。

ショートということは、数日でまたご自宅に戻られますよね?

通常であればそうなのですが、直ぐにご自宅に帰るのは難しいケースだと思いますので、入所中にケアマネさんと相談していきたいと思います。

判断に困る難しいケースですね…。
これもまたある種、在宅らしいエピソードですね。

大学病院・特養・訪問看護、どれが一番好きでした?

真原さんから見た、在宅・訪問看護の魅力ってどんなところですか?

病院と比較しても、特養と比較しても、利用者さんと一対一で向き合えることは、何よりの魅力ですよね。
その方のためだけに時間を使えますし、それに対する反応がダイレクトで返ってくるので。

特養は、病院等に比べると、比較的長く関われるとは言われますけど、
在宅に比べるとやはり介入の深さは浅いのかなと思います。
また在宅の方が、総合的に色々なケアをしていける点も違いますよね。

次の訪問に行った時に、自分のことを待っていてくれていたり、ケアを終えてご自宅を出る時に、名残惜しそうにして頂いたりと、
訪問の中には、小さな幸せがいっぱい詰まっているな、と感じます。

直感的なもので良いのですが、大学病院、特養、デイサービス、グループホーム、そして訪問看護と、
様々な働き方を経験された真原さんのお気持ちとして、どれが一番に自分に合っていると思います?

う~~~ん、どれを選ぶかなぁ…。
正直なところ、私自身、在宅を始めたのがここのステーションの立ち上げからで、まだ日が浅くって、
在宅の良さを十分に体感しきれていないかと思うんですね。
なので、いまの段階では特養かな?

ただ、それも「ここの特養だったから」ってのもあるんですよね。
すごく人間関係が良くて働きやすい職場だったので、他所の特養で働いていたら、また違う感想を持った可能性もありますね。

なるほど…。
そこの人間関係次第で働きやすさは大きく左右されますよね。
ちなみに、こちらの訪問看護も、人間関係は良いと思います?

良いですよ!
先ほどもお話した通り、私は今年から訪問看護を初めたばかりなのですが、
メンバーには、訪看歴20年以上のベテランのスタッフもいて、日々私の育成をして頂いています(笑)。

本日はありがとうございました。
取材を終えて

品川区と大田区の区境に位置する「西大井」駅から、歩いてすぐの場所に、特養・デイサービスの施設、訪問看護の事業所を構える、『にしおおい訪問看護ステーション』。
長年地域の高齢者をみてきた同法人が、2018年に新設した訪問看護ステーションでは、まだ新しいながらも、順調にご利用者の依頼も増え、これから地域に根ざした医療・介護サービスの重要な拠点へと成長していく様子がうかがえました。
施設併設の事業所ならではの強みとして、在宅サービスと施設サービスが有機的に繋がりあうことで、ご利用者やその家族にまた新たな選択肢を提供することができる点は、こちらで働くうえでの大きなやり甲斐になるのだと思います。
施設も在宅もどちらもやりたい、という優柔不断な方こそ、奮ってご応募下さい!笑
取材・文章:一和多義隆
事業所情報
事業所名 | にしおおい訪問看護ステーション |
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運営会社 | 社会福祉法人 春光福祉会 |
所在地 | 東京都品川区西大井2-4-4 |
最寄り駅 | JR横須賀線「西大井」駅 徒歩3分 |
在籍人数 | 5名(看護師:常勤2名・非常勤3名) |
従業員の平均年齢 | 40代前半 |
ステーション詳細 | » より詳細なステーション情報を見る |
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地域が繋がり、地域で支える

ICUからみた訪問看護の世界

本日は、2018年1月に訪問看護ステーションをOPENした、社会福祉法人春光福祉会の『にしおおい訪問看護ステーション』所長、
真原(まはら)さんに取材いたします。
よろしくお願い致します。