お孫さんは新人看護師! 初めてのエンゼルケアを一緒に

とあるご高齢の女性利用者さんを看ていた黒木さん。お看取りの時になり、お孫さんが看護師一年目だと発覚。二人で初めてのエンゼルケアに挑む!

インタビューご協力者

黒木 康平

看護師

ボンズシップ訪問看護リハビリステーション 所長

黒木さんが印象に残っているというのは、もともとガンの末期で点滴などをしていた女性の利用者さん。

ご高齢でご主人と二人暮らしをしていました。

いよいよ亡くなるという時はすでにご家族が集まっており、
その中には看護師一年目になりたてというお孫さんがいました。

すると彼女はお看取りの時に
「私、看護師なんです!」
と黒木さんに声をかけてくれました。

そしてその後お亡くなりになって死後処置をするという場面になると、
「エンゼルケアをしたことないのでさせて下さい!」
と頼まれ、一緒に行うことに。

病院で働いている時は、ご家族と一緒に死後処置を行うなんてことはまずなく、
さらにはご家族であり、新人看護師の生まれて初めてのエンゼルケアを
一緒にできるというのはなんとも貴重で新鮮な体験でした。

 

利用者さんのお孫さんであり、看護師としては後輩にあたる人と一緒に
お化粧をしたりお洋服を着せてあげたりすることができたのは、
今でも黒木さんにとっては、とても印象深い思い出になっています。

そしてこの出来事がきっかけになり、そのお孫さんが将来にでも
在宅に興味を持ってくれることを、看護師の先輩として
密かに期待しているんだそうです。

取材・文章 : 一和多義隆

取材日 : 2017年5月1日