「おばあちゃんのために」エンゼルケアでひ孫の取った行動に涙

孫、ひ孫と同居する高齢女性が老衰により、家族でお看取り。 看護観を突き動かされた、エンゼルケアでひ孫が取った行動とは?

インタビューご協力者

藤枝 亜美

看護師

ベストリハ訪問看護ステーション 管理者

藤枝さんがお看取りをしたという、とあるかなりご高齢の女性利用者さん。

お孫さんだけでなく、ひ孫ちゃんにあたる
小学校1年生くらいの女の子と一緒に暮らしていました。

そのひ孫ちゃんはとてもおばあちゃんっ子。

学校から帰ってくるとおばあちゃんに歌を歌ってあげたり、
藤枝さんと一緒にお世話をしてあげたりしていたんだとか。

利用者さんもそんな優しいひ孫ちゃんが大好きでした。

学校から帰ってくるのをいつも楽しみにしたり、
少し帰りが遅くなるだけですごく心配をしたりと、
ひ孫ちゃんは生きがいのような存在だったといいます。

 

その利用者さんの最期は、老衰のような形で
ご家族に見守られながらご自宅で亡くなりました。

エンゼルケアの際にはご家族の希望もあり、
そのひ孫ちゃんも一緒にすることに。

すると、その子はお亡くなりになって冷たくなった
利用者さんが着る浴衣を石油ストーブで温め始めました。

利用者さんは寒がりだったため、藤枝さんはいつも石油ストーブで
着替えやタオルを温めて足元に入れてあげていました。

その光景を思い出し、
「おばあちゃんが寒くないように」
と温めていたのです。

その姿を見た時、藤枝さんは
「私がやりたかった看護はこれだったんだ!」
と強く感じたんだとか。

人が亡くなることはもちろん悲しいことですが、
ご自宅で家族に囲まれながら看取られることで
ご本人は満足だったことでしょう。

そしてひ孫ちゃんにとっても、在宅ケアからエンゼルケアまで一緒にできたことは、
今後の人生においてもとても貴重な経験になったはず。

浴衣を温めるひ孫ちゃんを見ながら、藤枝さんは涙を流してそう思い、
目の前にいる1人のためにケアができる、という充実感に満たされていたそうです。

取材・文章 : 一和多義隆

取材日 : 2017年4月6日