幸せそうに高齢の父を看る娘 看護の本質に向き合うための経験とは

100歳を超えて胃ろうをつくった利用者さんと、負担が大きくても父を看る娘さん。 幸せそうにハードな在宅ケアを担う状況を前に、改めて「家族が疲れない関わり方」を考える。

インタビューご協力者

会田 久子

看護師

ひよこ訪問看護ステーション 所長

病院勤務経験もあり、訪問看護歴が30年以上というベテランの会田さん。

つい最近お亡くなりになってしまった方で、
100歳を超えて胃ろうをつくってしまった利用者さんがいました。

もう100歳を超えてご飯も食べられなくなってしまったという状況だったため、
周りの人たちは胃ろうには反対。

それでも胃ろうをつくったのは、娘さんが
「お父さんにはどうしても長生きをして欲しい」
と強く希望したためでした。

100歳を超えるお父さんの娘さんということで、
彼女も決して若くはなかったこともあり、
ケアの負担も大きく、かなりキツい状況のように見えていました。

それでも本人はとても幸せそうだったのが、会田さんにとっては印象的だったそうです。

 

家族の力というのは凄まじく、独居の方だとしても支えてくれる家族の存在は
計り知れないくらいに大きいものがあります。

それでも
「長生きをしてもらいたい」
「良くなってもらいたい」
というご家族の気持ちと、
支えるご家族の生活面とのバランスには正解がありません。

「これは経験を重ねるしかない」
と会田さんは断言します。

そしてこうした経験を積むことで、
「家族が疲れない関わり方」を目指していかないといけないと、
強く思うようになっているそうです。

そしてこうした利用者さんと出会うことで、
その人らしさを引き出す訪問看護という仕事にはつくづく「看護の本質」を感じ、
さらに自分の人生が豊かになっていく喜びがあると、会田さんは語ります。

取材・文章 : 一和多義隆

取材日 : 2017年4月4日