家族、そして家族以外の人との繋がりで看たおばあちゃん

脳梗塞のおばあちゃんを娘さんやお孫さん以外にも、お友達やご近所の方など、たくさんの人が集まる賑やかなお家で介護 家族を越えた人の繋がりがもたらす理想的な在宅の形とは

インタビューご協力者

廣田 仁美

在宅介護事業部 部長 看護師・認知症ケア専門士

キヨタ・ライフケアサービス株式会社

家族に見守られる自然な看護、とあるおばあちゃんのお話。

そのおばあちゃんは脳梗塞で、食事がとれない状態、誤嚥リスク、吸引、オムツ、さらに認知症も持っていました。娘さん、息子さん、廣田さんと同世代の2人のお孫さんと三世帯で暮らしており、おじいちゃん、娘さんの旦那さんはすでに他界。

それでもおばあちゃんをお家の中心に、家族以外のお友達や近所の方など色々な人がたくさん集まるとっても賑やかなお家でした。おばあちゃんのオムツ交換や吸引も、みんながご飯を食べたり飲み会を楽しんでいたりするところで行ったり家族以外の人が手伝ったりするなど、本当に自然な空気でおばあちゃんを看ていました。

そんな中、お孫さんには結婚式の予定があったのですが、おばあちゃんは式の3日前に亡くなってしまいます。式の間は出席できないおばあちゃんを廣田さんが看ている約束でした。

おばあちゃんのお通夜、告別式、そして翌日がお孫さんの結婚式。喜びも悲しみも泣きも笑いも一緒になり、日常の出来事としてみんなでおばあちゃんを看ていた様子がとても印象に残り、理想的だと廣田さんは強く感じたそうです。

最近になり、おばあちゃんの介護を中心になって頑張っていた娘さんが亡くなり、お子さんとともに告別式に参列した廣田さん。お孫さんのお子さんと廣田さんのお子さんも同年代ということで交流があり、廣田さんのお子さんも「小さい時に可愛がってもらった」と娘さんのことを覚えていたそうです。

廣田さんのお子さんまで、実の家族のような感覚で交流できるのは、おばあちゃんを中心にたくさんの人が集まっていたそのお家が醸し出す何かがあるのだろうと廣田さんは言います。

家族以外の人も集まり、人と人が支え合う不思議なお家。人を受け入れ、人と繋がる“お家”という場所でおばあちゃんの介護もみんなでやれたからこそ、血の繋がりに関係なく日常の喜びや悲しみを共有する充実感をそのお家に集まる人たちは感じていたのでしょう。

おばあちゃん本人だけでなく、おばあちゃんを看た人すべてが幸せに見えた廣田さんでした。

取材・文章 : 一和多義隆

取材日 : 2017年12月18日