訪問看護でよくみかける「便秘」に対するアセスメントの3つのポイント

[最終更新日]

訪問していると「最近便秘気味なのだよね」と利用者や介護者である家族から相談されることが多いかと思います。たかが便秘と思わず、しっかりアセスメントして対応していくことが必要です。ただの便秘だと思って下剤処方を依頼したが、実はイレウスだった場合は症状を悪化させることになります。今回は「便秘」と聞いた場合のアセスメントのポイントをお伝えできればと思います。

 

①器質的な疾患を除外する

便秘につながる代表的な疾患は腸閉塞や大腸がん、虚血性腸疾患や炎症性の狭窄があります。発症時期、随伴症状、既往歴、家族歴、服薬内容、便性状など、まずは情報収集するようにしましょう。訪問看護では既に医師の診察のもと器質的な疾患は除外されていることが多いですが、「下剤を使おう」と安易に考えずに原因を考えましょう。また、高齢者の便秘の原因で「嵌入便(かんにゅうべん)」のケースも多いので、直腸診をする習慣もつけましょう。

 

②使用薬剤を確認する

訪問看護の中で出くわす便秘の原因として、使用薬剤の副作用であることは多いです。特に高齢者は多様な薬を服薬していることが多く、循環器、消化器、精神系、鎮痛薬それぞれの副作用で便秘を起こしている可能性があります。使用薬剤の確認をして主治医と対応を相談していきましょう。

 

③下剤の作用機序を理解して処方依頼する

症状によって作用機序の違う下剤を使い分けることが必要です。便が固いのか、腸蠕動の動きが弱いのか、便秘の原因と下剤の特徴を理解しましょう。下剤調整には日々介入している訪問看護師やヘルパーからの情報がとても大切になってきます。排便状況の確認を本人、家族、他職種で行ないながら主治医に処方を依頼していきましょう。

 

便秘はよくある症状だからと軽視されている場面を良く見かけますが、重篤な疾患が隠れている可能性があるだけでなく、食欲不振や腹痛などによりQOLの低下にもつながります。排便コントロールをしっかり付けられるように今回お伝えしたアセスメントポイントを意識して介入してみてください。

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藤井 達也

藤井 達也

地元名古屋の大学を卒業後、聖路加国際病院の救命救急センターで看護師として働き始める。高齢者の最期の在り方について疑問を抱く中で、より深く意思決定の場面に関わっていきたいと考え、訪問看護の道へ。現在はウィル訪問看護ステーション江戸川にて訪問看護師として働きながら、教育、採用、管理業務の一端も担っている。
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